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 日立製作所は、日立グループのインドにおける初の研究開発拠点として、カルナーカタ州バンガロールに「日立インドR&Dセンタ」を開設したと発表した(ニュースリリース)。同センタは、日立グループのインドにおける地域本社であるHitachi India社直轄の研究所として、主に情報・通信システムや社会インフラなどの分野に関する研究開発を行い、経済成長著しいインドの現地ニーズに即した事業拡大を図るのが狙い。

 研究者自らが現地のニーズを捉えることで、主に(1)既存製品の改善や機能追加のための技術開発を行うテクノロジー・マーケティング研究、(2)市場ニーズに即した新規事業を開拓するための地域研究、(3)インドの大学や企業と連携して現地での先端技術開発、を進めるとしている。(1)では、ミドルウエアやハードウエアなどのITプラットフォームに関して、インドの顧客や大学での活用事例を参考に、現地での使用環境やユーザー特性を分析。ニーズの把握、コア技術の抽出、プロトタイプの開発などからインド市場向けの商品開発につなげる。(2)では水処理事業や都市交通、スマートシティなどの社会インフラ事業を中心に、実証実験への参加や規格標準化団体などの活動を通じて同国のニーズを抽出し、事業の提案や開拓を行う。(3)は、インドの大学やベンダー、人材を活用して、先端技術の開発を進めるもの。日立はこれまでもインド工科大学ハイデラバード校や、インド科学技術大学などとの連携を進めており、今後さらに現地大学との協力を拡大する。

 同センタ開設時の人員は約10人だが、2015年度までにインド人を中心に20人程度まで拡大する計画。将来は、日立のシンガポール共和国の開発拠点である日立アジアR&Dセンタと連携して、東南アジアや中近東といった「アジアベルト地帯」向けの研究開発を推進するとしている。

 日立は、2011年4月に国内の8つの研究所を3つに再編するとともに、社会イノベーション事業のグローバル化に向けて海外研究所の人員を強化するなど、研究開発体制の変革を進めている(Tech-On!関連記事)。同年6月には、インドを海外5極目の統括地域とする「新グローバル化推進計画」も発表。2010年度で約900億円のグループ連結売上高を、数年以内に約2000億円に拡大する計画を立てている。インドには既に建設機械や空調機器、火力発電、情報制御システム事業などで現地生産や現地パートナー企業との協業を進めているが、今回のR&Dセンタの開設によって研究開発分野においても現地化を図る考えだ。