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図1 基調講演の様子
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図2 机の上に赤色と青色の戦車が出ている
図2 机の上に赤色と青色の戦車が出ている
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図3 Vitaのカメラで捉えた実写映像に,猿のキャラクターを複数重ね合わせて表示させている
図3 Vitaのカメラで捉えた実写映像に,猿のキャラクターを複数重ね合わせて表示させている
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図4 Cloud Save
図4 Cloud Save
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図5 Cross Platform Play
図5 Cross Platform Play
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図6 Date Compatibility
図6 Date Compatibility
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図7 Remote Play
図7 Remote Play
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図8 左にいるのがPS3のユーザーで,右にいるのがPS Vitaのユーザー。PS 3のユーザーはテレビ画面に表示されたステージを見ながら、そのステージ中にいるキャラクターをPS 3のコントローラを使って操作し,ステージを進んでいく。スクリーンの映像はPS3の映像。
図8 左にいるのがPS3のユーザーで,右にいるのがPS Vitaのユーザー。PS 3のユーザーはテレビ画面に表示されたステージを見ながら、そのステージ中にいるキャラクターをPS 3のコントローラを使って操作し,ステージを進んでいく。スクリーンの映像はPS3の映像。
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図9 PS Vitaのユーザーは,Vitaの画面を見ることで,PS3ユーザーが見ているステージよりもより広範囲にステージを眺めることができる。
図9 PS Vitaのユーザーは,Vitaの画面を見ることで,PS3ユーザーが見ているステージよりもより広範囲にステージを眺めることができる。
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図10 PSSの概要
図10 PSSの概要
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 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は,2011年9月に開催されたゲーム業界世界最大級の展示会「東京ゲームショウ 2011」の開催に合わせ,同社の今後の事業戦略などについて発表した。その中心となるのが, 2011年12月17日から発売予定の新しい携帯型ゲーム機「PlayStation(PS) Vita(ヴィータ)」と,Android搭載端末向けゲーム配信サービス「PlayStation Suite(PSS)」である。本稿では,TGSの基調講演でのSCEの発表を振り返りつつ,PS Vitaの開発責任者で,かつPSS事業も手掛けるSCE SVP 兼 第2事業部 事業部長の松本吉生氏へのインタビューを掲載する。前編ではSCEの講演内容の概要を紹介する。

 TGSの基調講演では,PS VitaのAR機能と,据置型ゲーム機「プレイステーション 3」との連携機能,そしてPSSについて時間を割いて説明された(図1)。

 紹介されたAR機能は大別して二つ。一つは「ワイドエリア AR」と呼ぶものである。複数のマーカーを検知してキャラクターなどを生成し,実写映像に重ねて表示する機能である。PS Vitaのカメラで撮影して画面に表示させている実写映像に,複数のマーカーを検知して生成したキャラクターを登場させてゲームを楽しむことができる。会場では,マーカーから生成した複数の戦車を,実写映像の机の上で戦わせるゲームを披露した(図2)。

 もう一つが「マーカーレスAR」である。その名の通り,特殊なマーカーを使わずにキャラクターを生成し,カメラで撮影している実写映像に重ねて表示させることができる。マーカーの代わりにカメラで撮影した対象物自体を利用しているようだ。カメラで捉えた映像に応じて,映像に重畳するキャラクターの大きさや角度などが変化する。会場では,複数の猿のキャラクターを映像に登場させ,奥にいる猿ほど小さく,手前側にいる猿ほど大きく表示するなど,映像に応じた表示方法をしている様子などをみせた(図3)。

Wii Uのような使い方も可能に


 PS3との連携については,四種類の機能を紹介した。第1に,セーブ・データをPS3とPS Vitaで共有できる「Cloud Save」である。セーブ・データは「PlayStation Network(PSN)」のサーバ上に保管させており,同一のゲーム・タイトルでそのセーブ・データをPS3とPS Vitaで共有できる(図4)。

 第2の連携機能が,PS3とPS Vitaでネットワーク対戦できる「Cross Platform Play」だ。例えば同一のレース・ゲームで,PS3ユーザーとPS Vitaの対戦できる(図5)。

 第3の連携機能が「Date Compatibility」である。これは,PS 3で作成したセーブ・データ以外のゲーム・データを,PS Vitaのゲームで利用できるというもの(図6)。例えばレース・ゲームにおいて,PS3でユーザーが作成したコース・データやキャラクター・データ,車体データなどをPS Vitaの対応ゲームで利用できる。

 第4が「Remote Play」だ(図7)。この機能により,例えばPS Vitaを通じてPS 3を操作できる。Remote Playでは無線LAN機能など利用して,PS VitaとPS3でデータをやり取りする。Remote Playは既にPSPから対応しているが,PS Vitaではそれをさらに進化させている。
 
 その端的な例が,テレビ画面に表示させている映像と異なる映像をPS Vitaに表示させて遊べることだ。例えばアクション・ゲームの場合,PS3のユーザーが,テレビ画面に表示されたステージを見ながら、そのステージ中にいるキャラクターをPS 3のコントローラを使って操作し,ステージを進んでいく(図8)。一方,PS Vitaのユーザーは,手元にあるVitaの画面を見ながら,同一のアクション・ゲーム内にて別のキャラクターを操作している(図9)。PS Vitaのユーザーは,PS3ユーザーが見ているステージよりもより広範囲にステージを眺めることができる。この差を生かし,VitaユーザーがPS 3ユーザーのステージ進行を助けて遊ぶことができる。

 こうした遊び方は,任天堂が2012年に発売予定の据置型ゲーム機「Wii U」をほうふつとさせる。Wii Uでは,テレビ画面とWii Uのタブレット型コントローラの画面二つを利用してゲームを楽しむ。この二つの画面に対し,それぞれ異なる映像を映すことができる。例えば鬼ごっこのようなゲームで,逃亡者側と追跡者側の映像を変える,といった具合だ(Tech-On!関連記事1)。こうしたWii Uのような遊び方を,SCEはPS3とPS Vitaを組み合わせて実現している。

 

PSS向けSDKを発表


 PSSに関しては,PSS用ソフトウエア開発キット(SDK)のβ版を2011年11月から提供することを,TGSの基調講演で初めて公表した(図10)。PSS用SDKで開発されたコンテンツを2012年春から配信する予定である。

 同SDKで開発されたアプリケーション(以下,アプリ)は,Android上やPS Vita上の仮想マシンで動作する。開発言語としてC#を採用した。ゲーム開発のための3次元グラフィックスのライブラリも用意する。このほか,ゲーム以外のアプリ開発に向けた「UIツールキット」も提供する予定である。

 現在PSSを利用できるのは,認証プログラム「PlayStation Certified」に準拠したAndroid端末のみ。今後は既存のAndroid端末でも動作する可能性があるという。実際,そのための動作検証を行っているという。