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図1 出展ブース
図1 出展ブース
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図2 出展ブース内での説明デモの様子。CEATEC来場者が足を止め,聞き入っていた。
図2 出展ブース内での説明デモの様子。CEATEC来場者が足を止め,聞き入っていた。
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図3 TransfetJet対応の送受信クレードルを接続した写真用プリンター。TransfetJet対応のカメラをクレードル上に置き、カメラの写真データをプリンターで印刷できる。
図3 TransfetJet対応の送受信クレードルを接続した写真用プリンター。TransfetJet対応のカメラをクレードル上に置き、カメラの写真データをプリンターで印刷できる。
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図4 写真用プリンターのタッチ・パネル画面に,カメラ内の写真データが表示される。タッチ・パネルに触れて選択し,写真を印刷する。
図4 写真用プリンターのタッチ・パネル画面に,カメラ内の写真データが表示される。タッチ・パネルに触れて選択し,写真を印刷する。
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図5 TransferJetを利用し,キオスク端末から動画コンテンツをスマートフォンにダウンロード
図5 TransferJetを利用し,キオスク端末から動画コンテンツをスマートフォンにダウンロード
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図6 キオスク端末からダウンロードした動画コンテンツを表示
図6 キオスク端末からダウンロードした動画コンテンツを表示
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図7 書店での利用を想定したデモ。展示されている書籍に手を近づけると,その内容がディスプレイに表示される。内容を読み,気に入ったら右端にあるTransferJet送受信部に対応機器を近づけて書籍コンテンツをダウンロードする。
図7 書店での利用を想定したデモ。展示されている書籍に手を近づけると,その内容がディスプレイに表示される。内容を読み,気に入ったら右端にあるTransferJet送受信部に対応機器を近づけて書籍コンテンツをダウンロードする。
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図8 東芝が開発した送受信LSI「TC35420」
図8 東芝が開発した送受信LSI「TC35420」
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図9 東芝の送受信LSIを利用したモジュール
図9 東芝の送受信LSIを利用したモジュール
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図10 パイオニアの情報端末。TransferJetを通じて,写真右にあるデジタル・カメラ内の写真データを情報端末に転送し,情報端末のディスプレイに表示させている。
図10 パイオニアの情報端末。TransferJetを通じて,写真右にあるデジタル・カメラ内の写真データを情報端末に転送し,情報端末のディスプレイに表示させている。
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 実効的なデータ伝送速度が375Mビット/秒と速い近接無線通信技術「TransferJet」の普及を推進するTransferJetコンソーシアムは、2011年10月4~8日まで開催された「CEATEC JAPAN 2011」に出展ブースを構え、同技術を使った応用例や対応部品などを披露した(図1、2)。

 コンソーシアムは、昨年開催された前回のCEATECでも出展し、応用例や対応部品などを展示したが、今回は前回よりも出展内容に広がりが見える。応用例の展示で前回と大きく異なるのが、キオスク端末や写真用プリンターでの利用など、家庭内の機器だけではなく、サービス機器や公共施設内での電子機器などとも連携するデモを複数、披露した点である。「FeliCaは改札機や店舗などに採用されたことで普及が進んだ。この経験から、TransferJetの普及促進のためには、公共施設内の機器や店舗で利用する機器などで採用されることが不可欠と考え、これに関連するデモに注力した」(ソニーの説明員)という。

 例えば、写真用プリンターでは、TransfetJet対応の送受信クレードルを接続し、TransfetJet対応のカメラをクレードル上に置き、カメラの写真データをプリンターで印刷する実演を披露した(図3、4)。約2ヶ月前に、ある老人養護施設でこの対応プリンターとカメラを貸し出し、フィールド試験を行ったところ、施設側から高い評価を得たという。電子機器の操作に慣れない老人でも、撮影した写真をプリンターで印刷ができたためだ。メモリー・カードをプリンターに挿入してデータを印刷するのは、機器操作に慣れない老人には難しい。特に業務用写真プリンターなどは、さまざまな種類のメモリー・カード・スロットがあり、電子機器に不慣れな人はカードを挿入する段階から迷ってしまう。TransferJetであれば、カメラ本体をプリンターにかざせばよいので、操作に迷いにくいという。

 ユーザーだけでなく、機器側にも利点があるという。例えば電器量販店などに設置されている、大型写真プリンター装置である。同装置の場合、メモリー・カードを直接のその機器に挿入して写真をプリントアウトできる。各種メモリー・カードに対応できるように、ほぼ全種類のカードスロットを備えているが、「量販店の店員によれば、ほぼ一日一回、何らかの理由でどこかのメモリー・カード・スロットがトラブルになるという。例えばスロットがカードを読み込まなくなったり、挿入したカードを取り忘れたりする。TransferJetはカードを挿抜しないので、スロットが原因となるトラブルに巻き込まれることはない」(説明員)

書籍コンテンツやフリー・ペーパーの高速ダウンロードに向ける

 このほか、CDショップやレンタルビデオ店、イベント会場などに設置する応用を想定したデモ用のキオスク端末を開発し、音楽や映像、書籍などのコンテンツをTransferJetでスマートフォンに読み込むデモを披露した(図5~7)。説明員によれば、書店で立ち読みした後、気に入った書籍をその書店ではなくオンライン・ストアで購入するケースが急増しているという。このため、この問題に対して「書店が頭を抱えている。TransferJetでこの問題の解決に貢献できるだろう。TransferJetがあればデータ伝送速度が速く、その場ですぐに電子書籍コンテンツを端末にダウンロードできるからだ。Wi-Fiという選択支もあるが、さまざまな機器が無線LANでつながる環境では、その実効的なデータ伝送速度は遅い。書籍によっては一冊10~15分くらいかかってしまう。対してTransferJetは高速で、瞬時にダウンロードできる」(説明員)。実際大手書店と、店舗内の利用について協議しているもようである。

 また駅構内において、フリー・ペーパーなどの配布にも、TransferJetを活用できると考えている。現在駅構内ではさまざまなフリー・ペーパーが配置されているが、大量の印刷物が増え、紙ごみなども増えるので、「駅側としては、紙のフリー・ペーパーを減らして、代わりに電子書籍としてスマートフォンなどに配布したいという考えを持っている。仮にフリー・ペーパーのダウンロードをWi-Fiで実行しようとすると、一度に多くの機器がWi-Fiを利用することになるので,Wi-Fiでは十分なデータ伝送速度を得られない。こうなると、ダウンロードが終了する前に電車が来てしまい、あきらめて乗車することになる。その点、TransferJetを利用すれば、データ伝送速度が速いので、電車の待ち時間内でフリー・ペーパーのデータをダウンロードできる。そのため、交通事業者などがTransferJetに対して強い関心を寄せている」(説明員)と自信を見せる。
 

小型モジュールも展示


応用事例のほか、TransferJet用送受信LSIやカプラ、対応部品なども出展された。このうち、日本で初めて公開されたのが、東芝が開発した送受信LSI「TC35420」である(図8)。RFスイッチなどを1パッケージに搭載しつつ、パッケージ・サイズを4.0mm×4.0mm×0.5mmにとどめた点を特徴とする。ブースでは、このLSIや周辺部品、そしてアンテナとして利用する「カプラ」との接続端子などを搭載したモジュールも参考出展していた(図9)。モジュールの大きさは7.5mm角。このモジュールとカプラを機器に実装すれば、TransferJetの信号を送受信できる。このほか、近距離無線通信技術「NFC」とTransferJetの両方の通信機能を備えた送受信LSIを、「2013年ごろに製品化したい」(説明員)との考えも示した。

 このほか、TransferJetブース内ではないが、パイオニアが同社ブース内にて、TransferJet送受信機能を備えたテーブル型の情報端末を参考展示していた。テーブル上のTransferJet送受信部に対応カメラを置くと、カメラ内の写真を情報端末の画面に表示できる(図10)。