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 ナノテクノロジー系ベンチャー企業である環境・エネルギーナノ技術研究所(長野県・池田町)はカーボンナノホーン(CNH)粒子などのサンプル品の出荷を始めると発表した。これは、10月17日午後に、東京都千代田区内で開催された「第44回ナノビズマッチ 環境・再生可能エネルギー・太陽電池・省エネ関連製品・技術編」というナノテク系ベンチャー企業などの技術開発・事業計画の発表会で、同社の北村都築代表取締役が公表したもの。第44回ナノビズマッチは、経済産業省系の一般社団法人ナノテクノロジービジネス推進協議会(NBCI)が主催した。

 環境・エネルギーナノ技術研究所は、カーボンナノホーンの量産法として、独自の「水中アーク放電法」を確立済みだ。同量産法は「NECや産業技術総合研究所などが開発したカーボンナノホーンの量産法の特許には抵触しないと判断している」と、北村代表取締役は説明する。

 カーボンナノホーンは、カーボンナノチューブ(CNT)の片側が閉じた、円錐形状の炭素同素体だ。カーボンナノチューブを発見した名城大学大学院の飯島澄男教授が、NEC在籍当時に発見した新しい炭素材料として有名なものだ。一時は、フッ素ガスの貯蔵材料などの用途に使える新材料として研究開発が進められた新材料である。NECはカーボンナノホーンに関する自社が保有する特許を“開放特許”としてライセンスする方針で、これまで臨んできた。

図1 展示されたカーボンナノホーンの粒子(パウダー、向かって左側の容器内)とペースト状(右側)のサンプル品
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 環境・エネルギーナノ技術研究所が開発した水中アーク放電法からは、カーボンナノホーンが多数集まった“いが栗”のような粒子ができる。カーボンナノホーンが、いが栗の“とげ”部分をつくる。同粒子の直径は20~40ナノメートルだ。水中アーク放電法は、いが栗形状の粒子(パウダー)と、この粒子が水などの溶媒と混合したペースト状の2種類のカーボンナノホーンをつくる(図1)。「微粒子であるパウダーよりも、ペースト状の方が取り扱いが簡単」と説明する。パウダーの方は容器から取り出す際に、パウダーが空中に漂うなどの問題があり、取り扱いの際に注意が必要になるからだ。

 同社は10月下旬から、パウダーやペースト状のカーボンナノホーン粒子のサンプル品の供給を始める。開発用キットとの名称で、パウダーやペースト状のカーボンナノホーン粒子などのサンプルを数種類集めたサンプル品を提供する。「サンプル品は無償か有償かはまだ決めていない」という。

 同社は少人数の陣容でカーボンナノホーンの材料事業を進展させているために、「日本では名古屋工業大学などの3大学と、海外ではドイツの研究機関の2機関と共同研究を進めている」という。カーボンナノホーンの特徴を生かした応用製品を早めに見いだしたい構えのようだ。