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 Foursquare社のサービスは、「チェックイン」という流行語を生み出した。チェックインは、飲食店や観光地などを訪れた会員が「自分がそこにいた」ことをSNSを使って別の会員に知らせる機能だ。その位置を確認するために測位機能を使う。

foursquareのような位置情報サービスの競争が世界規模で激しさを増す。写真はFoursquare社のサービスを使う人々のイメージ
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 会員にチェックイン機能を使わせるためのご褒美も用意している。チェックインの回数や場所の種類などに応じて、様々な種類の仮想的なバッジを付与する。

 例えば、特定の店舗への訪問回数が増えれば、その店舗のエキスパートを意味する「Mayor(市長)」の称号を与えられたり、特定の条件や場所を満たした時にだけもらえるレア・アイテムのバッジを手にしたりできる。こうしたゲーム性が会員の競争心や収集欲を刺激し、チェックインの回数が増えていくという仕組みだ。

 店舗などとの協業にも力を入れている。チェックインした店舗や、その付近にある店舗などが会員に割引券を配布するようなサービス基盤の提供である。こうした協業の件数は、既に50万件を超えているという。

 チェックインを使った同様のサービスは、今や世界的な潮流だ。SNS世界最大手の米Facebook社や、インターネット検索最大手の米Google社なども相次いで同様のサービスを立ち上げた。「位置情報とスマートフォンを組み合わせるサービスは、これから高い収益性が見込める」。こう気が付いたベンチャー企業や大手企業が、こぞってLBS分野に参入を始めた。その競争は世界規模だ。

 「確かに、大手企業の参入で競争は激しくなる。だが、我々のようなベンチャー企業には、開発スピードの速さや、ビジネスモデルの構築で小回りが利くというアドバンテージがある」と、Foursquare社のHolger Luedorf氏は自信を見せる。

ビジネスモデルの進化が高精度測位を身近に

 今後、位置情報を使ったビジネスモデルがさらに進化し、収益性が高まれば、測位技術が進化するスピードも飛躍的に高まりそうだ。チェックイン機能などで現実のカネが動き始めると、測位した場所をより正確に証明する必要が出てくる可能性があるからである。

 例えば、サービス事業者が特定の店舗への来店を促す情報を流し、実際の訪問者数や商品の購入者数に応じて店舗から集客に対する成果報酬を受け取るようなビジネスモデルを考えた場合、測位制度の高精度化が不可欠だ。嘘のチェックインでは、成果報酬を支払う意味がなくなってしまう。

 こうした課題を克服する高精度測位を実現する技術の芽は、見え始めている。2010年9月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げた測位用の準天頂衛星「みちびき」は、数cm単位の誤差で測位することを目指す例の一つだ。近い将来、測量などで利用されている精密測位の技術が、一般消費者の身近な存在になる可能性を指摘する声も多い。

 さらに、これまで手付かずだった屋内で利用できる測位技術の基盤整備も前進する気配をみせている。ショッピングモールのように多くの店舗が並ぶ屋内で測位技術を利用できるようになれば、様々なサービスが登場することになるだろう。

 今後、GPSだけではなく、屋内外をシームレスに高精度に測位できる技術基盤が着実に整備されていくことは間違いない。そうなれば、パイオニアが製品化したサイクルナビのような個人が持ち歩く様々な専用の携帯端末でも、位置情報とWebサービスを組み合わせたビジネスモデルの構築が本格化する。

 スマートフォンの普及によって見えてきた「カネのなる木」への期待。そして、高精度測位へのニーズの高まりが、位置情報の活用をスマートフォンを超えて、さらに一段上のレベルに引き上げることになる。