PR
依田 孝 氏
依田 孝 氏
STS 2011 プログラム委員長
東芝 
セミコンダクター&ストレージ社
生産性改善推進部
環境企画推進担当
担当部長

 「SEMIテクノロジーシンポジウム(STS)」は、セミコン・ジャパンの会期に合わせて開催される国際技術シンポジウムである。デバイス・メーカーと、装置および材料メーカーの技術交流の場を提供することを目的に企画されたものだ。デバイス、プロセス、生産技術、パッケージング、テスト、製造装置、材料など半導体デバイスおよびMEMS(MicroElectro Mechanical System)にかかわる技術を広く網羅したテーマの講演が数多く開かれる。講師の多くは、半導体およびMEMSの業界の第一線で活躍する技術者。しかも、それぞれの分野の最先端の技術を話題にした講演が多いことなどから、講演の内容に対する来場者の評価は高い。このため例年多くの来場者が参加する。昨年は前年を17%も上回る1,337人もの参加者が集まった。今年は、それをさらに上回る1,800人が集まるものと期待している。今回のセッションの数は17件。全講演数は75件にも上る。

30周年を記念した新機軸の企画

 今年のSTS2011は、1982年に開催された第1回目から数えて、ちょうど30回目に当たる。そこで、これまでとは一線を画する新機軸の企画を随所に盛り込んだ。特に展示会であるセミコン・ジャパンと連携を意識した企画を強化している。こうした中で特に注目してほしいポイントは大きく三つある。一つ目は、セミコン・ジャパンのテーマ「PowerofAsia」に合わせて海外からの講師を積極的に集めたこと。今回は二十数名が海外から講師として参加する予定だ。このうちの約半分はアジア地域から訪れる。 

 もう一つのポイントは、30周年記念イベントとしてセミコン・ジャパンの会場内で、「STSサテライト」および「STSスポット」と名付けた無料セミナーを開催すること。この二つのセッションは有料で実施しているSTSの、いわばダイジェスト版。各テーマの専門家だけではなく、幅広い分野の人たちに最新の技術動向を知ってもらうのが企画の狙いである。セミコン・ジャパンの来場者は、事前にこれらのセッションの内容を調べて、興味のあるテーマの講演に気軽に参加してほしい。

 STSサテライト・セッションでは、「医療とエレクトロニクスの融合 ~予防医療にエレクトロニクスができるころ~」「DFM ~製造容易性、生産性向上のためのチップ設計、プロセス設計、製造設計~」といった二つのセッションが用意されている。STSスポットとして開催される四つのセッションのテーマは、それぞれ「パッケージング」「OLED」「マイクロシステム・MEMS」「プリンテッドエレクトロニクス」である。

初の「コラボレーション・セッション」

 三つ目のポイントは、STSの企画を担当している四つの委員会が共同で企画した「コラボレーション・セッション」を新たに設けたこと。具体的には12月8日(木)に開催するセッション「TSV ~ようこそ! 未来をつむぐ3D実装の世界へ~」である。STSの企画委員会は、「前工程」「パッケージング」「テスト」「MEMS」の四つの委員会で構成されている。これまで,それぞれが中心となって担当分野に関連する企画を決めてきた。だが、最近は四つの枠組みのどこか一つに収まりきらない技術も出てきた。そこで30周年を迎えたのを契機に、新たな試みとして四つの委員会が合同で一つのセッションを企画することにした。今回、テーマとして採り上げるTSVには、各委員会が担当する分野の技術が、すべてかかわる。まさに、合同企画には打って付けのテーマだ。しかも、いわゆる「MoreThan Moore」を実現する技術として、いま半導体業界でもっとも注目されている技術である。このセッションでは、先端技術、応用、テスト、研究開発動向、市場動向とTSVに関連する幅広い話題を網羅する。STS 2011の大きな目玉になることは間違いない。

次世代メモリの技術を整理

 このほか、例年、人気が高い「先端デバイス」のセッションは、構成を一部変更した。前年は、先端デバイスセッションを二つ設け、それぞれ「More Moore」(デバイス高性能化技術)と「More Than Moore」(回路多機能化技術)を採り上げた。今回は、CMOSロジック回路を話題の中心に据えた「先端デバイス」と、次世代メモリをテーマにした「先端メモリデバイス・プロセス」の二つに分けた。さらに昨年は「先端要素プロセス」として独立していたプロセス技術を、それぞれのセッションに盛り込んでいる。 

 先端デバイスのセッションでは、グラフェンをはじめとする新材料を使ったトランジスタの専門家を講師に招き、主に20nm世代以降のMore Mooreに向けた先端技術を紹介する。  

 先端メモリデバイス・プロセスのセッションでは、「ポストNAND」と呼ばれている次世代不揮発性メモリがテーマになる。ReRAM、FeRAM、MRAMなどを話題として採り上げるほか、3次元NANDフラッシュメモリについても言及する。様々な不揮発性メモリを幅広く網羅するので、不揮発性メモリの技術を整理しておきたいという来場者に、このセッションは役立つはずだ。不揮発性メモリの分野では、様々な技術が登場し、それぞれが主流の座を狙っている状況だ。こうした重要な時期にさしかかっている不揮発性メモリの技術の動向を見極めるうえで見逃せないセッションといえるのではないだろうか。

新たなテーマのセッションも登場

 今回のSTSで新たに採り上げる分野のセッションにも注目してほしい。「L ED(発光ダイオード)」と「OLED(有機EL)」である。LEDは低消費電力で長寿命といった特長を備えていることから、いわゆる「グリーンデバイス」として注目を集めている。特に照明や液晶ディスプレイのバックライトの光源への展開が加速しており、その需要が急増している。「最新LED技術動向 ~高効率化はどこまで実現できるか?~」と題したセッションでは、こうしたLEDの開発における大きな焦点となっている高効率化の技術が話題の中心となる。 

OLEDは、小型ディスプレイへの展開のほか、最近では照明用デバイスとして注目を集めている。「最新有機EL 技術動向 ~量産技術開発の現状と今後を展望!!」と題したOLEDのセッションでは、世界の開発動向や、量産に向けた「Roll to Roll」の技術、塗布型のプロセスなどを解説する。

 STSは、半導体、MEMS、LED、OLEDといったデバイスの最新技術や市場まで幅広く網羅している。それぞれのデバイスの動向を的確に把握できる貴重な機会といえるだろう。これらのデバイスに関連する技術者は、セミコン・ジャパンと同時依田 孝 氏にSTSにも是非参加して欲しい。

表1 SEMIテクノロジーシンポジウム(STS)2011のセッション 会場:幕張メッセ国際会議場
[画像のクリックで拡大表示]
表2 新企画の「STSスポット」および「STSサテライト」のセッション 会場:幕張メッセ 国際展示場ホール1 メインステージ
[画像のクリックで拡大表示]