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 半導体や電子部品の通販サイトを運営する米Digi-Key社のPresident、Mark Larson氏が来日し、Tech-On!のインタビューに答えた。インターネット販売において、揺るぎないNo.1の地位を維持するDigi-Keyの強さや、今後の戦略などについて聞いた。(聞き手は木村知史=Tech-On!)

最近の業績を教えてください。

 2010年は、我々にとって大変良い年でした。2010年の売上は、ワールドワイドで約1340億円でした。リーマンショックの影響があった2009年は多少売上が減少したということもあるのですが、2010年を2009年と比較すると64%の増加です。もちろん、日本における売上も伸びています。2009年は約27億3000万円でしたが、2010年は51億7000万円と、約90%増えています。

 我々の売上のベースは、もちろん北米にあります。ただし、近年では他の地域での売上の伸びが大きくなっています。2009年と2010年を比較すると、欧州での売上は2010年は120%増加(2.2倍)し、日本を含むアジアの売上は116%増加(2.16倍)しました。

 また、売上の多くはインターネット経由のものですが、Webページへのアクセス数も急速に増えています。Webページへのアクセスは2009年が約4800万人、トータルPV(ページビュー)が約4億でした。これが2010年には約6800万人、トータルPVが約5億1000万まで高まってきています。

 2011年は、2010年ほどの大きな伸びは期待できません。今のところ、ワールドワイドの売上は1410億円を見込んでいます。

2000年からの10年間で、売上を4倍以上に伸ばしています。このように成長した理由を教えてください。

 何といっても、取り扱い製品が豊富なことです。Digi-Keyでは64万点の品種を扱っています。競合他社と比較して、一番の取り扱い量だと思っています。「Digi-Keyにアクセスすれば、すべての部品が揃う」、このようにユーザーに思ってもらうことが重要です。

 64万点の品種を管理することは簡単ではありません。64万点を扱っているからといって、在庫を保有しておらず、ユーザーを待たせてしまっては問題です。我々は在庫率95%を達成していますが、過去2年のトレンド情報を分析し、さらには社内に60人のマーケッターを抱えて今後の予測をたてることで、ムダのない発注につなげています。

 部品在庫を本社の1カ所に集中させていることも、管理のしやすさにつながっています。複数拠点に在庫を分散させれば、それだけ余計な在庫を持たなくてはなりません。その分、遠い地域のユーザーに対しては納期が遅れるのでは、と心配されるかもしれませんが、受注が入ると20分後には倉庫から発送されるシステムを構築しています。このため、日本のユーザーでも2、3日後には必ず製品が手元に届くことになります。

現在、約470社の製品を取り扱っていますが、製品を取り扱う会社の数はどんどん増やしていくのでしょうか。

 もちろん、これからも増やしていきたいです。しかし、無闇に付き合う会社を増やしたり、取り扱う製品を増やしたりということはまったく考えていません。我々が扱う製品のラインナップをトータルで見たときに、まだ不足している領域を増やしていくことを優先します。

 現在、1年間で400~500社のメーカーから、自分達の製品を扱ってくれないかという依頼があります。中小のメーカーが多いのですが、話をするうえで重要なのは、私達がその製品を取り扱ったときに、ユーザーにメリットがあるかどうかです。いくら大手のメーカーから依頼があっても、すでにその領域の製品を我々が扱っているのであれば、お断りすることもあります。

 もちろん、新たに製品を取り扱う場合には、製品のテストを慎重に行います。Digi-Keyのウリの一つは、メーカーから直接部品を仕入れて、そして信頼性の高い製品をユーザーに納めることにあります。このため、新たに取り扱いを始める際には、社内で徹底的に製品のテストをさせてもらいます。テストを専門に行うエンジニアを社内で約140人揃えており、コネクタやキャパシタなど、個々の製品群においてスペシャリストがいます。

2012年に向けてどのような成長戦略を持っていますか。

 売上は大きく伸びるとは思っていません。ワールドワイドで5~10%、売上が伸びればよいと考えています。

 それよりも重要なのは、多くの地域でDigi-Keyの価値を高めていきたいということです。「Digi-Keyと一緒に仕事をしたい」、と思ってくれる人を1人でも多く増やしていきたいと思っています。そのためには、取り扱い製品を増やすことと共に、サポートエンジニアを各地域で増やすことが必要だと思っています。

 Digi-Keyの大きなユーザーは、試作などを行う技術者で、製品を1個単位で購入してくれます。初めて利用する製品も多いので、疑問点もあるはずです。このような技術者の質問に広く答えることが、Digi-Keyの価値を高めることになると考えています。