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重慶で開催された「重慶日本電機電子産業基地」設立セレモニー
重慶で開催された「重慶日本電機電子産業基地」設立セレモニー
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中国共産党南岸区重慶経済開発区の夏沢良書記
中国共産党南岸区重慶経済開発区の夏沢良書記
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中国商務部の李金早副部長
中国商務部の李金早副部長
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丹羽宇一郎中国大使
丹羽宇一郎中国大使
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重慶市の黄奇帆市長
重慶市の黄奇帆市長
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最後には出席した日中企業による調印式も行われた
最後には出席した日中企業による調印式も行われた
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 11月28日、中国の直轄市の一つである重慶市で「重慶日本電機電子産業基地」のオープニングセレモニーが盛大に開催された。この基地は重慶市にある国家級開発区・重慶経済技術開発区(CETZ)の中に5平方キロの産業区画を用意し、そこに日本の電子情報技術産業を誘致し、日中合作で世界最先端の電子情報産業基地を目指すという国家プロジェクト。中国からは商務部の李金早副部長、重慶市の黄奇帆市長、日本からは丹羽宇一郎中国大使など、そうそうたるメンバーがセレモニーに参加した。

 まず中国共産党南岸区重慶経済開発区の夏沢良書記の挨拶に続き、商務部の李副部長が登壇。これからの中国発展の推進力となる西部開発の重要性を説いた。その鍵を握るのが日本企業の重慶進出であり、そのために新しく重慶日本電機電子産業基地を国家プロジェクトとして推進していくことを力説した。

 こうした中国側のメッセージを受ける形で、日本側の代表として出席した丹羽中国大使は、11月23日に北京市で開かれた玄場外務大臣と戴秉国国務委員との会見に触れ、そこで合意された日中両政府の経済技術協力の意向を受けた最初の取り組みとなる点を強調。来年の日中国交正常化40周年にふさわしい事業となるとして中国側のメッセージに応じた。続く日本貿易振興機構(JETRO)の石毛博行理事長は、重慶市の求めに応じ30社の日本企業を組織したと説明。中国沿岸地域への進出が飽和状態を迎え厳しくなる中、日本の中小企業にとっては内陸地域が新たな活路となると話した。

 最後を締めくくる形で登場した重慶市の黄市長は、政府が進める西部開発のドラゴンヘッドが重慶であることを強調した。重慶は中国の西部開発の拠点であるだけでなく、中国と地続きの欧州と陸路の接点となる重要なポジションにあることを説明。陸路で13日で物資が届けられる重慶は欧州への物流拠点となるという「ユーラシアブリッジ」構想を掲げた。

 さらに重慶の戦略が、企業誘致による内需拡大だけではなく、積極的な海外投資という外需拡大との2本柱で経済発展を目指すという戦略を披露した。そのうえで、GDP(国内総生産)で中国が日本を抜いた今でも、海外投資の指標を含むGNP(国民総生産)では日本は中国の2倍であることを指摘。この差は当分埋まらず、これからの30年は日本が中国の師であり続けると持ち上げた。そして日本企業の誘致による内需拡大だけではなく、日本と中国が一体となった海外投資を進めていきたいという意向を明らかにした。

 今、中国の沿岸部は人件費の高騰を受けて、世界の工場から世界のR&Dセンターへ舵を切っている。それに伴い、重慶をはじめとする内陸部が世界の工場としての役割を担うと同時に、中国の新たなエンジンとして様々な発展戦略を模索している。今回の「重慶日本電機電子産業基地」設立イベントは、西部開発のリーダーを自認する重慶の決意と熱意にあふれる式典となった。