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図1 ハンドヘルド型オシロスコープの新製品「THS3000シリーズ」
図1 ハンドヘルド型オシロスコープの新製品「THS3000シリーズ」
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 テクトロニクスは2011年11月29日、携帯(ハンドヘルド)型オシロスコープの新製品「THS3000シリーズ」を発表した(図1、発表資料)。最高周波数帯域は200MHzと高く、最大サンプルレートは5Gサンプル/秒と「ミッドレンジ・オシロスコープと同等の性能を実現した」(同社)。即日受注を開始し、2012年1月から出荷する予定である。

 同社がハンドヘルド型オシロスコープを販売するのは「2007年以来」(同社)で、「THS700シリーズ」を最後に新製品を発表してこなかった。約4年ぶりの新製品としてTHS3000シリーズを発売することを決めた背景には、「東日本大震災をきっかけに省電力化への要求が高まったことと、新たな発電形態としての太陽光発電や電気自動車(EV)の進展、インバータなどのモータ駆動システムの開発が進むなど、新たなアプリケーションが市場に次々と登場しようとしていることがあった」(同社)とする。こうしたニーズは日本だけでなく、世界中で高まっているという。

従来品に比べて5倍の周波数帯域


 これらのアプリケーションの開発者から、研究室内だけでなく実際の現場で波形を測定したいとの要求を受け、今回ハンドヘルド型のオシロスコープの新製品投入に踏み切った。従来のハンドヘルド型オシロスコープは持ち運び性や取り扱いの容易性を重視しているため測定性能は決して高くなかった。具体的には、オシロスコープの性能を示す周波数帯域は「一般的なハンドヘルド型オシロスコープでは20M~40MHz程度」(同社)という。

 そこでテクトロニクスは、さまざまなアプリケーションに汎用的に使用可能な100M/200MHzの周波数帯域を実現させた。さらに、最大サンプルレートを5Gサンプル/秒まで高め、4チャネルの入力チャネルとUSBインタフェース(データ保存用のホスト・ポートとPC通信用のデバイス・ポート)を装備した。

 この他、21の自動測定機能やFFTなどの波形演算機能、最大100波形/トリガまで記録できる自動波形記録機能、Pass/Failテスト機能、トレンド解析機能などを搭載し、現場で多様な測定ができるような工夫を施した(図2、3)。

 絶縁性に優れるのもTHS3000シリーズの特徴の一つ。具体的には、各チャネルがシャーシ・グラウンドから独立して絶縁されており、さらにチャネル間でも絶縁されている。また、データ保存用のUSBホスト・ポート、機器セットアップ、PC通信用のUSBデバイス・ポートも絶縁されている。「グラウンド接地されていない信号の測定や、測定場所が暗い、電圧の基準レベルが違うグラウンド接地していない信号ラインの測定への対応が顧客から寄せられていた」(同社)ため、対応策を施した。

7時間の電池駆動に対応


 さらに、「フィールドでの要望でもっとも強かったのは電池駆動」(同社)だったことから、Liイオン2次電池を搭載して最大7時間の電池駆動を実現した。電池残量が少ない場合は、予備電池と入れ替えることが可能。可搬性の向上以外にも「工場などではライン電圧からの電源で測定を行う場合、電圧の変化が雑音として拾ってしまうことがある。電池駆動にしたことで、こうした外部変化の影響を受けずに正確に測定できるようになる」(同社)メリットがある。

 質量は2.2kgで、外形寸法は265mm×190mm×70mm。防塵防滴規格(IP41)に準拠する。さらに暗闇などの環境でとり回しが容易なようにコネクタやプローブなどを色分けした。加えて、ハード・ケースのトラベルキットもオプションで用意した。現場で活用する際にも、同ケースに入れて持ち運ぶことで衝撃などから保護できるとする。

 価格は100MHz/2.5Gサンプル/秒の「THS3014」が43万8000円(トラベルキット・セットは48万6000円)、200MHz/5Gサンプル/秒の「THS3024」が49万7000円(トラベルキット・セットは54万3000円)である(図4)。オプションの予備電池「THSBAT リチウムイオン・バッテリ」は3万4800円。なお、価格はいずれも税抜き。

図2 性能の概要1
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図3 性能の概要2
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図4 製品ラインアップ
図4 製品ラインアップ
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