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 文部科学省の科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課は、2011年11月30日に「平成22年度 大学等における産学連携等実施状況について」という調査報告を公表した。同調査報告は、文科省自身やその関連組織などが産学官連携の施策を企画・立案する際や、シンクタンクや大学などの産学官連携の研究者が動向調査する際の基礎データに用いられるものである。平成15年度(2003年度)から毎年度ごとに、国立・公立・私立大学の産学官連携の実績を調査し分析して公表している。

 同調査を担当した大学技術移転推進室によると、平成22年度(2010年度)の実績は、企業との共同研究件数が1万5544件で、前年度の平成21年度(2009年度)に比べて765件増の5.2%増となった。その際の研究費受入額は約314億円となり、同約20億円増の6.6%増となった。企業との共同研究件数の内訳では、中小企業との件数は4416件と、同148件増の3.5%増となり、外国企業との件数は185件と、同6件増の3.4%増となった。

 特許出願件数は国内と外国の出願件数が合計8675件となり、同126件減の1.4%減となった。その一方で中身をみると、外国出願件数は2185件となり、同183件増の9.1%増となっている。特許権の保有状況は国内と外国分を併せて9396件となり、同2826件増の43.0%増となって、特許の保有件数は大幅に増えた。

 産学官連携の重要な指数となる特許権実施等件数は4968件となり、同441件増の9.7%増となった。特許権の実施料収入額は約14.5億円と、同約5.5億円増の62.3%増となり、産学官連携活動は成果を上げているとの結果となった。その一方で、イノベーションを牽引すると期待されている大学発ベンチャーの設立数は47件で、同27件減の36.5%減となった。

 同調査を担当した大学技術移転推進室は「産学官連携の成果事例の代表事例を具体的にみてみると、日常生活の向上や医療分野・環境分野などで様々な課題解決で成果を上げ、多様な製品化や事業化を推進している」と、現在の産学官連携が活性化している状況を分析している。例えば、北海道大学と産業技術総合研究所が共同開発した、レアアースを使わない新構造の50kWハイブリッド自動車用フェライト磁石モーターや、東京大学と佐竹製作所(東京都千代田区)が共同開発した埋め込み型の柔軟触覚センサーなどの11件の産学官連携成果を具体的に示し、活発化している事例として報告した。