PR

 日本貿易振興機構(JETRO)は、タイの洪水に関するセミナー「日タイ洪水復興セミナー」を東京で開催した。300人の定員に対して約50人のキャンセル待ちが出るほど企業の関心が高いため、名古屋(12月19日)と大阪(12月20日)での開催を急遽決めたという。

 セミナーでは、タイ王国大使館の経済・投資公使やJETROのバンコク事務所長などが、タイ洪水の現状と今後について講演した。このうちJETRO バンコク事務所長である井内摂男氏は、被災企業へのアンケート調査結果を説明した。アンケートは、2011年11月18日にバンコクで開催した労務セミナーで実施したものである。

 アンケートには、洪水の被害を直接受けた企業55社(製造業は45社)が回答した(複数回答)。「工場や事務所などから水が引いた後、再び事業を同じ場所で行いますか」という質問に対して、「同じ場所での事業再開」が39社(製造業は33社)、「他の場所で事業再開」が15社(製造業が12社)、「全く未定」が9社(製造業は7社)だった。
 「他の場所で事業再開」と回答した15社のうち、「タイ国内」としたのが6社(製造業は5社)、「タイ国外」が0社、国内外明記なしが9社(製造業は7社)という結果だった。

 井内氏は、「同じ場所で事業再開」の比率が高く、「他の場所で事業再開」と回答した企業も「タイ国外」を選ぶ企業が皆無だったことから、今回被害を受けた地区では半年後の雨季に備えて早急に洪水対策を策定・実施する必要があるとした。

 これに対してタイ王国大使館の講演者は、(1)工業団地を囲む壁の高さを増したり強度を高めたりする、(2)排水溝を作る、(3)ダムを作る、などの対策により「水のハイウェイを作る」と述べた。講演後の質疑応答では、洪水被害にあっている日本の部品メーカーが、「排水溝やダムを作るのには時間がかかる。半年後に工業団地の壁が強固になるだけでは、工業団地は守れても周囲が水没して操業できなくなる」と懸念を示した。質問者に対してタイ王国大使館の講演者は、排水溝やダムについては既に設計に着手しているとして、早期の実現に向けて動き出していることを説明した。