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 米Mentor Graphics Corp.が高位合成ツール「Catapult C Synthesis」を米Calypto Design Systems, Inc.に売却して3か月近くが経過した(Tech-On!関連記事1)。発表当初は、売却はCarl Icahn氏の指示によるものかなど、さまざまな噂が飛び交った。売却の理由はよく分からないが、CatapultはCalypto製品としての道を歩み始めている。今後、Catapultはどうなっていくのか、Calyptoに聞いてみた。

 まず、周辺状況から。Calyptoが提示した米Gary Smith EDA社が2010年に実施の市場調査結果によれば(結果の公表は2011年9月)、高位合成ツール市場でCatapultのシェアは47%と、2位の29%を大きく引き離している。他の高位合成ツールと同じく、地域別のユーザー数では、日本が一番多い。ただし「競合製品のように、ユーザーがほぼ日本に限られることはなく、米国や欧州でも使われている」(Calyptoの山本修作氏、Japan Technical Account Manager and Business Development)。

以前と同じ場所で勤務

図1●高位合成「Catapult」とフォーマル・ベリファイア「SLEC」の連携
Calyptoのデータ。
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 Catapultの買収に伴ってMentorから移籍した30名(主に開発・サポート)を含めてCalyptoの従業員は現在、約95名だが、今後の事業拡大を見込んで従業員の採用を進めているという。Calyptoの本社はカリフォルニア州のSanta Claraにあるが、Mentorから移籍した従業員はこれまで同様にオレゴン州のWiisonvilleで勤務している。すなわち、Mentor社内で元いた場所をCatapultが借り受けて、以前と同じ場所で働いているとのことである。

 メンター・グラフィックス・ジャパンでCatapultを担当していた従業員で、Calyptoに移籍した人はまだいないという。これから移籍を検討するが、「営業担当者が多いので、移籍する人はあまり多くならないと思う」(山本氏)。なお、現在、MentorからCatapultを導入して保守契約を結んでいるユーザーは、契約期間満了を機に、保守契約先がMentorからCalyptoになる予定だという。新規の顧客への販売・保守は、Calyptoが行う。

高位合成への入力を洗練させる

 MentorとCalyptoは、Catapultの売却・買収以前から長いこと協力関係にある。Catapultの処理前後の論理等価性をCalyptoの順序回路の等価性チェック向けフォーマル・ベリファイア「SLEC」でチェックするというフローを、両者共通の顧客に提案していた(Tech-On!関連記事2)。高位合成を初めて使うユーザーの安心材料を確保したいMentorと、市場参入間もないCalyptoの双方にとってプラスになった。

 高位合成が浸透し、ツールとしても成熟してきた最近では、「SLECは高位合成への入力データを洗練するのに貢献する」(山本氏)という(図1)。入力データは設計者が作るわけで、洗練前後で等価性をチェックする意味は十分あると言える。なお、山本氏によれば、SLECとCatapult以外の高位合成ツールの連携フローも、これまで同様に積極的に対応していくという。