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市内の建物のライトアップの様子

 ルーヴル美術館と他建物を比較するために、数箇所の照明を撮影した。ルーヴル美術館のナポレオン広場とクール・カレの照明設置の完成はまだ先ではあるが、それでもルーヴル美術館は新しい照明によって美しく映し出されている。だが、ルーヴル美術館だけを見ていると照明が変わったことに気付く人は少ないかもしれない。なぜなら、新しく設置された照明がとても建物に合っているためだ。

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写真24:ルーヴル美術館前のカルーゼル凱旋門(筆者撮影)
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写真25:ルーヴル美術館からつながる建物である、テュイルリー公園前の様子(筆者撮影)
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写真26:パリ市庁舎正面のライトアップ。撮影条件の関係上、照明の色は実際の色と異なる場合がある (筆者撮影)
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写真26:パリ市庁舎側面のライトアップ。撮影条件の関係上、照明の色は実際の色と異なる場合がある (筆者撮影)

「芸術のルーヴル」と「技術の東芝」が照明の新しい時代を開くか…

 東芝は今回のプロジェクトで技術的に苦労した点について、「世界遺産であるルーヴル美術館を新しい照明で照らすために、さまざまな要求があった。その要求に対応するには、多くの苦労があった」と語る。既存の照明器具を配置していた場所にLED照明器具を設置せざるを得なかったことや、色温度の調整などに課題があったようだ。前述したように、ピラミッドでは間隔を開けて照明器具を設置したのも、ピラミッド設計時のレイアウトを変更できなかったからである。だが、東芝は幾度の試作を基に「芸術のルーヴル」からの要求をクリアするまでに至った。

 今回、筆者は撮影中、周囲にいた数人に照明について感想を聞いてみた。だが、ほとんどはLED照明かどうかではなく、「照明が美しい」という印象で撮影している様子だった。LED照明であることを説明してみたのだが、理解する人は少なかった。東芝はもう少しLED照明についてアピールをしてもいいのではないだろうか。

 東芝は2010年4月から世界規模で新照明事業を展開している。欧州ではフランス、ドイツ、イギリスに営業拠点を設置した。フランスでは2010年1月から一般消費者向けにLED電球の販売を始めているようだが、残念ながらホームセンターではドイツOSRAM社とオランダPhilips社のLED電球しか見かけることができなかった。

 今後、ルーヴル美術館でのプロジェクトをきっかけに、東芝がどこまで知名度を高め、LED照明の技術力をアピールできるかに注目したい。