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CC3000の送受信モジュールと、それを実装した評価用ボード
CC3000の送受信モジュールと、それを実装した評価用ボード
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 米Texas Instruments社は、スマートメーターや家庭の白物家電、ホーム・オートメーションなどに向けた低消費電力の無線LANチップ市場に参入する(発表資料)。

 最大データ伝送速度が低い代わりに、待機時の消費電力を低くしたほか、処理能力の低いマイコンを使うホスト機器でも利用しやすい無線ICを投入する。無線LANを活用する機器を、従来の中心であるパソコンやスマートフォンから、白物家電機器やセンサ・ネット機器に広げる狙いである。同市場ではこれまで、米GainSpan社などのICが数多く利用されていたが、最近米Broadcom社も参入意向を表明していた。スマートグリッド分野の市場拡大を契機に、無線LAN用半導体の大手メーカーがこぞって同市場に参入する格好となった。

ホスト側の負担を大幅に軽減

 TI社が発表したのは、無線LAN用チップセットの新製品「CC3000」。無線LANの送受信機能だけでなく、TCP/IPなどネットワーク処理を行うための専用プロセサを組み込んだ。これにより、ホスト側マイコンのリソースをほとんど利用せずとも、無線LANの通信機能を実現できる。「従来の無線LANチップに比較して、ホストのリソースを利用する割合は極めて低い。メモリに関しては、6Kバイトのフラッシュ・メモリや3KバイトのRAMだけで済む」(日本テキサス・インスツルメンツ)。

 消費電力が低いことが特徴で、シャットダウン・モードにおける消費電流は5μA未満という。一方で最小受信感度として-89dBmを確保したことから、伝送距離に関しては「100m程度」(日本テキサス・インスツルメンツ)あるとしている。最大データ伝送速度は、TCP/IPにおける実効値で4Mビット/秒程度という。スマートグリッドやホーム・オートメーション用途では、データ伝送速度よりも伝送距離や消費電力の低さが求められることに対応したものだ。

新シリーズ「SimpleLink」の第1弾に

 ICに加え、送受信モジュールや評価用キットも用意した。モジュールは村田製作所などが手がけている。またユーザーのソフトウエア開発の負担を軽減するため、各種プロトコル・スタック・ソフトウエアやドライバ・ソフトウエアを整備した。評価用キットは、199米ドル(参考価格)で提供しているという。

 TI社は今回発表したCC3000を、「SimpleLink」と呼ぶ新しい製品シリーズの第1弾と位置づけている。SimpleLinkは、ネットワーク・プロセサなどを組み込むことで自己完結型の製品を志向したものを指している。「Internet of Things(モノのインターネット)」という言葉に代表されるような、様々な機器をネットワークに接続していく際に、SimpleLinkシリーズの無線ICの利用を働きかけていく考えだ。このためSimpleLinkシリーズには今回の無線LAN用ICだけでなく、ZigBeeやANT規格の無線ICも含まれている。