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 大阪大学大学院の森下竜一教授は、1月23日に東京都内で開催された国際知的財産活用フォーラム2012のパネルディスカッションの中で、文部科学省が立案中の施策「イノベーション・エコシステム拠点構想(案)の公募説明会が2月8日に都内で開催される」と発言した。同パネルディスカッションのパネリストの一人である東京大学大学院の石川正俊教授も、同拠点構想の「シンポジウムと公募説明会が開催されるので、参加を薦めたい」と発言した。

 文科省科学技術・学術政策局の産学連携・地域支援課は平成24年度の新施策に向けた「イノベーション・エコシステム拠点構想」の検討会などを通して施策の中身を詰めてきた。このイノベーション・エコシステム拠点構想は、日本の大学や公的研究機関が世界トップクラスの基礎研究成果を上げながら、日本企業の新産業・新事業振興になかなかつながらない産学官連携の実態を打破するための仕組みであり、公的な“ギャップファンド”などの手法の導入が必要との発想に基づくものだ。

 検討会などの議論の過程では、大学などの研究時点で企業の事業化ノウハウをハンズオンで導入し、その後の新産業育成に必要な資金(ファンド)をベンチャーキャピタルなどの民間ファンドなどから呼び込むための仕組みなどが議論されたもようだ。

 その仕組みのポイントは「事業プロモーター」と呼ばれる“プロジェクトディレクター”を公募によって選び、日本再生を図るのに適した、次世代の新事業を支える技術シーズのポートフォリオを作成するなどを図る仕組みである。具体的には、事業プロモーターを中心に、大学成果の技術シーズを特許などで権利化し、技術シーズのポートフォリオを数件つくり、事業化などを検討する。

 作成された技術シーズポートフォリオを基に、事業プロモーターなどの専門家チームは企業の事業化ノウハウを注入し、大学などで研究開発と事業化の一体的推進を図り、“プレベンチャー”と呼ぶ事業シーズを育成する。場合によっては、実際に大学発ベンチャー企業を創業させる。事業化の見通しが立った“プレベンチャー”に、ベンチャーキャピタルなどの民間の資金提供者を呼び込み、大型投資によって新市場や新産業を形成する構想である。

 文科省が公表した公募説明会の名称は「大学発新産業創出拠点プロジェクト」(仮称)となっており、施策の正式名称は、2月上旬の公募説明会で公表される見通しだ。産学官連携に公的な“ギャップファンド”を注入し、日本企業が新市場や新産業を形成する、“日本再生戦略”を実行する施策とするもようである。