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図1 東芝の2011年4〜12月期は減収減益(東芝の決算資料)
図1 東芝の2011年4〜12月期は減収減益(東芝の決算資料)
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 東芝は2012年1月31日、2011年4~12月期における連結決算を発表した(決算情報の公開ページ)。売上高は前年同期比7%減の4兆3539億円、営業利益は同36%減の908億円の減収減益となった。「急激な円高、欧米を中心とした市場環境の悪化、震災やタイの洪水の影響が大きかった」(同社 代表執行役専務 久保誠氏)とする。純利益は同70%減の121億円。

 決算発表を受け、2011年3月期(2011年4月~2012年3月)の業績見通しを修正した。売上高を前回予想から8000億円下方修正し6兆2000億円に、営業利益を1000億円引き下げて2000億円に、純利益を750億円引き下げて650億円に変更する。2010年3月期に対して増収増益を見込んでいたが、減収減益になる見通し。

テレビ事業は赤字に

 部門別の業績を見ると、「社会インフラ部門」を除いた各部門で減収となった。中でも落ち込みが大きかったのが、薄型テレビやパソコンを中心とする「デジタルプロダクツ部門」である。売上高は前年同期比14%減の1兆2936億円、営業損益は113億円の赤字(前年同期は230億円の黒字)となった。

 液晶テレビ事業の業績は公表しなかったが、「100億円台半ばの赤字を計上した」(東芝の久保氏)という。売価ダウンや地上デジタル放送への移行完了に伴い、国内を中心に需要が減少した。特に2011年度第3四半期は、「国内市場の落ち込みが我々の想定を超えた」(同氏)。2012年以降は、「国内市場は規模に見合った仕組みを構築していく」(同氏)とする。

 一方、パソコン事業は、売上高が前年同期比14%減の6187億円、営業利益が前年同期から42億円増の104億円。円高と欧米での需要減などの影響で減収となったが、コスト削減などにより増益となった。

半導体事業は減収減益

 半導体と液晶ディスプレイを中心とする「電子デバイス部門」は、売上高が前年同期比10%減の1兆1838億円、営業利益は同26%減の545億円の減収減益。主力の半導体事業は、売上高が同15%減の7240億円、営業利益が同54%減の317億円である。円高やタイの洪水、NANDフラッシュ・メモリの価格下落、個別半導体やシステムLSIの需要減などの影響で減収となった。製品別の売上高は、メモリが前年同期比12%減の3933億円、個別半導体が同12%減の1305億円、システムLSIが同21%減の2002億円である。第3四半期に、NANDフラッシュ・メモリの売価は前期比で約20%下落したが、営業利益は、「100億円台半ばを確保した」(東芝の久保氏)という。

 液晶ディスプレイ事業は、売上高が前年同期比17%減の1333億円、営業利益が同45%増の106億円。スマートフォンなどの携帯端末向けを中心に需要が好調だった他、コスト削減効果により増益となった。2012年春に発足予定である「ジャパンディスプレイへの統合に向け、予定通りの事業展開となった」(東芝の久保氏)とする。

 発電システムを中心とする社会インフラ部門は、売上高が前年同期比4%増の1兆5583億円の増収となった。円高の影響があるものの、火力・水力発電システム事業が堅調に推移したという。米Landis+Gyr社の買収も増収に繋がったという。営業利益は同3%減の387億円となり、前年と同水準を確保した。白物家電を中心とする「家庭電器部門」は、売上高が同1%減の4409億円、営業利益が同65%増の68億円となった。