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実証実験の四つのモデル
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今回の実証システムの概要
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実証フィールドの状況
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 NTTグループは2012年2月1日、亀田総合病院グループと遠隔医療に関する実証実験を始めた。在宅医療の推進に向けた遠隔医療技術の確立や、先駆的なエビデンスの蓄積を狙う。今回の実証実験は、亀田総合病院(千葉県鴨川市)と亀田産業、NTT、NTT東日本、NTTドコモが共同で実施する。

 地域の中核医療機関である亀田総合病院と、介護サービス施設や調剤薬局、患者の自宅をブロードバンド・ネットワークで結び、医療健康情報の自動登録やテレビ電話を利用した遠隔医療の実現に向けた実証を進める。具体的には、亀田総合病院の他、介護サービス施設3拠点、調剤薬局1拠点、在宅患者および介護サービス施設利用者131名をネットワークで結ぶ。

 今回の実証は、以下の四つのモデルを用いて、遠隔医療システムの導入による安全性・有効性のエビデンス収集と継続利用に向けた要件を総合的に評価する。

(1)遠隔往診モデル
 医師が対面で指導する代わりに、遠隔医療システムを用いて在宅患者などへの複数回の往診の一部を行い、医師や患者の移動負荷を削減するモデル

(2)在宅介護支援モデル
 医師、看護師と介護ヘルパーが介護記録システムを用いて患者の状態を把握・共有することにより、効果的なケアを実施するモデル。

(3)服薬情報提供モデル
 薬剤師が患者に対して対面で服薬指導した後に、ICTを活用した服薬状況の確認・情報提供を実施することで、服薬コンプライアンスの向上を支援するモデル。

(4)遠隔慢性疾患管理モデル
 慢性疾患患者の重症化予防を目的に、患者が日々のバイタル・データを登録し、医療機関の看護師が医師の指示のもとで遠隔からそのデータを確認し、定期的に介入して支援や患者教育を行うモデル。

Continua規格を利用

 今回の実証では、NTTグループが開発した医療健康共通基盤を利用する。医療機関や在宅患者が、医療健康情報を簡易かつセキュアに流通させることができる基盤だという。医療系デバイスのデータは、Continua Health Allianceの設計ガイドラインに沿った規格で自動登録でき、同基盤を用いて情報共有を実現する。

 中核医療機関や介護サービス施設、調剤薬局、在宅患者をつなぐネットワークには、NTTグループのブロードバンド・ネットワークを活用する。Android端末を利用する際は、商用版SSLクライアント認証による、なりすまし防止を実現するという。なお、実証実験に参加する介護ヘルパーに対しては、最新の防水タブレット端末を提供し、介護現場における実用性などを検証する。

 なお、実証に関わる各プレーヤーの役割は次の通りである。

 ■亀田総合病院
  ・遠隔医療に関わる実証フィールドの提供
  ・遠隔医療に関わるノウハウ提供

 ■亀田産業
  ・在宅介護に関わる実証フィールドの提供
  ・在宅介護に関わるノウハウ提供

 ■NTT
  ・実証トライアルの管理運営
  ・実証システムの開発および評価・検証

 ■NTT東日本
  ・「フレッツ 光ネクスト」をはじめとするネットワーク・サービスの提供

 ■NTTドコモ
  ・「FOMA」のネットワーク・サービスの提供
  ・Androidタブレット端末の遠隔医療、在宅介護への適用評価・検証
  ・Androidタブレット端末とSSLクライアント認証対応ブラウザーとPKI認証局の提供および評価・検証
  ・Androidタブレット端末におけるバイタル情報収集アプリケーション導入に向けた技術検討

得られたエビデンスは対外的に広く訴求

 今回の実証の期間は、2012年3月末まで。ただし、同年4月以降は、医療・介護連携を見据えた新たなモデルを追加した上で、新たな実証実験に取り組む計画である。

 今回の実証で得られた先駆的なエビデンスについては、対外的に広く訴求することで、在宅医療の推進を図る考えである。なお、今回のシステムは、東日本大震災における被災地での遠隔医療ニーズも考慮したとしており、有事における地域医療の継続性についても検証を進める予定である。