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前四半期比の業績変動
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モバイルDRAMに注力
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2012年の市況の観測
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 エルピーダメモリは2012年2月2日、2011年度第1~3四半期(2011年4月~12月)の連結決算を発表した(決算情報のページ)。売上高は前年同期比48%減の2196億円、営業損益は同1333億円悪化の923億円の赤字となった。純損益は989億円の赤字だった。DRAM価格の低迷や円高の進行が業績悪化の主な要因である。

 直近の第3四半期(2011年10月~12月)は、売上高が前年同期比38.4%減の598億円、営業損益は同169億円悪化して438億円の赤字だった。パソコン需要の停滞に加えて、タイの洪水によるHDD(ハードディスク装置)の供給減や電子機器の生産停止によってDRAM需要が低迷したという。

 エルピーダをめぐっては、経営再建に向けた他社との提携に関する報道が過熱している。決算発表会に登壇した同社 代表取締役社長兼CEOの坂本幸雄氏はこの点に触れて、「我々は他社との提携を第一義に考えているわけではない。まずは単独で生き残らなければ、赤字を垂れ流した状態で他社と提携してもうまくいかない」と語った。ただし、抜本的な業績改善策については「現時点でこれだというものが必ずしもない。いろいろな角度から計算をしているが、(具体化には)少なくともあと1カ月ほど待ってもらいたい」(同氏)とした。

 同社は現在、経済産業省や日本政策投資銀行、主要取引銀行などとの間で、支援の枠組みについて協議中であり、2011年度末までに合意できる見通しという。「我々が今後、安定的に収益を出せるスキームを提示することを第1の条件として求められている。我々からはできるだけ早期の支援をお願いしている」(坂本氏)。

 業績悪化の最大の要因であるDRAM価格は、回復基調にあるという。「2011年11月を底に、明らかに反転し始めている」(坂本氏)。例えば、2GビットのDDR3品の価格は、2011年11月には約0.7米ドルにまで落ち込んだが、2012年2月1日時点で0.93米ドルまで回復した。「2012年2月半ば~3月にはDRAM市場は(本格的に)回復し始めるだろう」(同氏)。

 同社が大きな期待を寄せているのが、LPDDR3品などのモバイル(携帯端末向け)DRAMの需要拡大である。2012年後半には、「モバイルDRAMを載せたUltrabook(超薄型ノート・パソコン)の市場が本格的に立ち上がる」(坂本氏)とみる。Ultrabook向けモバイルDRAMにおいて、同社は80%の市場シェアを獲得しているという。

 モバイルDRAMに関しては、TSV(Si貫通ビア)を用いたワイドI/O品にも力を入れていく(Tech-On!関連記事1)。ここでは、DRAMとマイクロプロセサ、さらにはフラッシュ・メモリなどをTSVでつなぐ1パッケージ・ソリューションについて、「台湾のファウンドリー企業と良好な関係を築けそうだ」(坂本氏)とした。TSVに関して従来から提携関係にある台湾UMC(United Microelectronics Corp.)に加え、台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)とも協業を進める考えとみられる(同2)。