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 米国の小児病院であるセント・ジュード小児研究病院(St. Jude Children's Research Hospital)と日立製作所は、同社が陽子線治療システムをセント・ジュード小児研究病院に提供することで合意した。施設の建築工事は既に始まっており、2015年秋から治療を開始する予定。「全米初の脳腫瘍をはじめとした小児がん専用の陽子線治療施設となる」(同病院)。

 今回、日立製作所が納入するのは、スポットスキャニング照射技術を適用したビーム走査方式の陽子線治療システム。従来の二重散乱体方式による陽子線治療と比較して、複雑な形状のがんにも精度よく陽子線を照射することができ、周囲の正常な細胞への影響を抑えられるのが特徴である。さらに、患者ごとに準備が必要だったコリメータやボーラスといった装置が不要、陽子ビームの利用効率が高く不要な放射線の発生が少ない、などの特徴もある。

 今回は全3室を設置し、回転用ガントリ照射装置の治療室が2室、固定照射装置の治療室が1室となる。すべての治療室に、スポットスキャニング照射技術を適用する。

 なお日本においては、同社のスポットスキャニング照射技術を適用した治療施設が現在、名古屋市のクオリティライフ21城北において建設されている。2012年度中にも治療が始まる予定である。