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 TFF(テクトロニクス)は、2012年6月13日にプライベート・セミナー「テクトロニクス・イノベーション・フォーラム2012」を東京で開催した。この中で、携帯機器の内部インタフェース仕様を策定する業界団体「MIPI Alliance」が規定するインタフェース規格、いわゆるMIPI規格をテーマにした講演を同社の宮崎強氏が行った。

 MIPIの物理層は、D-PHYとM-PHYの2種類がある。現在の製品に利用されているのは、D-PHYである。現在の最新仕様はV.1.1。データ伝送用に最大4レーン、クロック伝送用に1レーンが用意されている。High SpeedモードとLow Powerモードの二つのモードがあり、High Speedモードでは1レーンあたり最大1.5Gビット/秒となる。

 講演では、D-PHYの物理層の信号を測定するためのオシロスコープの周波数帯域について紹介した。高速デジタル信号は一般に方形波である。周波数領域でみると、方形波は基本波と奇数高調波により構成される。

 例えば1Gビット/秒で伝送した場合、基本周波数は500MHzになる。方形波では、第5次高調波の補足が目安となる。この計算ならば、必要な帯域は2.5GHzとなるが、実際は立ち上がり時間を考慮しなければならない。そこで、立ち上がり時間を考慮した「ニー(knee)周波数」という値を使う。ニー周波数は、0.4を立ち上がり時間で割った値。このニー周波数と、許容する測定誤差によって、必要な周波数帯域を決める。

 例えば、3%以内の誤差で測定したい場合は、周波数帯域はニー周波数の1.4倍となる。1Gビット/秒の場合は、3.74GHzの帯域を推奨しているという。5%の誤差で測定したい場合は、ニー周波数の1.2倍の帯域でよく、3.2GHzの帯域を推奨している。この場合、3.5GHzの帯域を持つオシロスコープが適するという。ただし、プロトコルだけを測定するならば、ここまで広い帯域は必要ないとした。

 講演ではテクトロニクスが手掛ける製品群を紹介した。この中で、信号発生器用製品として、「業界唯一」として紹介したのが、D-PHYの出力プローブだ。4レーン同時の出力が可能で、1レーンあたり1.5Gビット/秒に対応する。

 D-PHYに続き、M-PHYについて説明した。D-PHYとは異なり、送信用と受信用にのそれぞれレーンを利用した「全二重通信」を行う。符号化には8b10bを利用する。High SpeedモードとLow Speedモードの二つがある。High Speedモードのデータ速度に関しては、AシリーズとBシリーズの二つがあり、それぞれ速度によってGear1,2,3の3段階に分かれている。High Speedモードの最大データ伝送速度は、BシリーズのGear3で5.83Gビット/秒となる。

 Low Speedモードも二つのTypeがあり、TypeIはPWM変調で送信し、TypeIIでは参照クロックを共有してデータを送る。TypeIの場合は、さらに速度によって7段階のGearに分かれている。最大データ伝送速度は、TypeIとTypeIIは共に576Mビット/秒である。