PR
データ収集装置(写真:NTN)
データ収集装置(写真:NTN)
[画像のクリックで拡大表示]
システムの構成とデータの流れ(図:NTN)
システムの構成とデータの流れ(図:NTN)
[画像のクリックで拡大表示]

 NTNは、風力発電機の軸受や歯車などの異常を検知する状態監視システム(CMS:condition monitoring systems)を開発した(ニュースリリース)。ベアリングなどの解析で培った技術を生かし、約3年をかけて開発。日本メーカーとしては初めて、ドイツGermanischer Lloyd AG(GL:ドイツ船級協会)の認証を取得した。

 風力発電機のナセル(風車のタワー上部にある主要部品を収めた部屋)内は、一般に主軸、増速機、発電機で構成され、多くの軸受や歯車など機械要素部品が組み込まれている。このため、軸受や歯車などの異常の発見が遅れた場合、故障が全体へ拡大する可能性があり、メンテナンス費用や工数の増大、長期の発電停止につながる。特に、近年建設が進む洋上風車は、陸上風車に比べ大型化し、風力発電機へのアクセスも困難なため、さらに発見が遅れるリスクが高い。現状、陸上の風力発電機ではCMSの導入率は10%程度にとどまるが、洋上ではほぼ100%に近いという。

 NTNが開発したCMSは、データ収集装置と測定用センサ、データ管理・監視・分析ソフトウエアから成る。風力発電機内で各種センサからデータ収集装置にデータを集め、装置から遠隔地のサーバへデータを転送。サーバではデータ管理ソフトウエアでリアルタイムに一次診断(異常のレベルを分類)を行う。「警告」「注意喚起」などレベル分けしたデータをサーバから顧客サイトへ転送し、顧客サイトで詳細な分析を進めるという流れだ。

 データ収集装置は250mm×290mm×108mmと小型で、既存の風車にも適用できるとする。また、防塵防水性能が高く、使用温度範囲も-20℃~+60℃と広いため、洋上をはじめ、さまざまな環境に対応可能という。NTNは、すでに複数拠点で実証評価を行っており、今後、このシステム一式を販売するほか、このシステムを使ったモニタリング・サービスも検討する。さらに、この技術を潮流発電など他の新エネルギー分野へも拡大していく。