富士通民需ビジネス推進本部ものづくり革新ビジネス推進部の飯田好高氏。後ろは「ものづくり革新隊」を紹介する同社のブース。
富士通民需ビジネス推進本部ものづくり革新ビジネス推進部の飯田好高氏。後ろは「ものづくり革新隊」を紹介する同社のブース。
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 富士通は、「第23回設計・製造ソリューション展」(2012年6月20~22日、東京ビッグサイト)において、自社のものづくりに関するノウハウを外販するサービスについて紹介していた(Tech-On!の関連記事)。顧客に対して単にITツールを販売するのではなく、ITツールを使いこなすための業務プロセス改革を支援する点が特徴だ。

ものづくりを熟知した人材が指南

 富士通グループは、3次元CAD「iCAD」やデジタル・モックアップ・ツール「VPS」、仮想生産検証ツール「GP4」、技術情報管理ツール「PLEMIA」といったITツールを取り扱っている。しかし、顧客によってはITツールを使いこなすための環境が十分に整っていないため、顧客の業務プロセス改革から一緒に取り組む必要性を感じていると、富士通民需ビジネス推進本部ものづくり革新ビジネス推進部の飯田好高氏は語る。

 その一例として飯田氏が挙げるのは、3次元データの活用だ。性能や生産性を検証するためのシミュレーションに3次元データを活用することで、試作の回数を減らし、開発期間を短縮したり開発コストを低減したりできる。だが、実際にはシミュレーションでの活用を全く念頭に置かずに3次元データを作成し、後でシミュレーション用のデータを作り直している企業が決して少なくないという。このような業務プロセスのままITツールだけを導入しても、うまく使いこなすのは不可能だ。

 そこで富士通は、「ものづくり革新隊」というコンセプトの下、ものづくりを熟知した人材が顧客に実践的なノウハウを指南し、顧客の業務プロセス革新を支援する。その上で目的に合致したITツールを顧客に導入してもらい、開発期間の短縮や開発コストの低減、生産性の向上などを目指すという。具体的には、デジタル・モックアップによって試作レスや試作回数の削減を目指す「ものを作らないものづくり」や、生産ラインの標準化・自動化を進める「フレキシブル生産」などが目標となる。

BCPのノウハウも提供

 さらに、東日本大震災後に関心が高まってきた事業継続計画(BCP)のノウハウについても、このサービスの中で提供する方針だ。富士通グループでは、デスクトップ・パソコンの組み立てを手掛ける富士通アイソテック(本社福島県伊達市)の本社工場が震災の影響で生産停止を余儀なくされた。ところが、震災発生から12日後の2011年3月23日にはノートパソコンの生産拠点である島根富士通(本社島根県出雲市)で代替生産を開始している。同じパソコンとはいえ、デスクトップ型とノート型では工程が大きく異なる。だが、富士通グループでは何度も災害模擬訓練を行うことで生産移管時の課題を事前に洗い出していたため、迅速に対応できた(Tech-On!の関連記事)。

 製造業のグローバル化に伴い、多くの企業が海外に進出していることから、こうしたBCPのノウハウについても需要が増えると富士通は見込んでいる。「タイの洪水被害でも、タイで生産できなくなった分をどこで補うかということが課題になった」(富士通の飯田氏)。こうした課題に対しても同社のノウハウを積極的に提供していくという。