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個人に即した健康メニューがある

JR
全行程終了後に、今回のセンサ活用の意義などについて参加者に説明する奈良女子大学の梅田氏(右)

 今回の企画には、「無意識生体計測&検査によるヘルスケアシステムの開発」の研究を進める奈良女子大学が協力した。この研究テーマは、文部科学省のイノベーションシステム整備事業 地域イノベーション戦略支援プログラムとして、けいはんな学研都市ヘルスケア開発地域が実施しているものである。

 今回の企画における研究の意義は、一人ひとりに合った健康メニューの必要性を証明することにあるという。前述の通り、参加者の行動場所に応じた「自律神経」「心拍数」「活動量」などの変化が分かる。このデータから、ある人にはどのような行動が健康づくりに効果的なのかが浮き彫りになるというわけである。

 奈良女子大学で研究を進める同大学 社会連携センター 特任准教授の梅田智広氏は、次のように強調する。

JR
今回の行程の様子

 「ウォーキングが健康に良いことは、誰もが分かっている。ただし、ある人にとってみて、例えば山道をウォーキングすることが効果的なのか、海沿いをウォーキングすることが効果的なのか、それとも街中のウォーキングが効果的なのか、それぞれ異なる。今回のように、ウォーキングした場所による自律神経の変化の相関関係が分かることで、より健康に良い活動の仕方を把握できるようになる」。

 今回利用したセンサでは、心拍(数・周期・波形)を計測できるため、これらのデータのゆらぎなどから自律神経の変化を解析している。例えば、交感神経が優位になっているのか、副交感神経が優位になっているのか、つまり、その人がリラックスできているのかどうかなどが分かるというわけだ。「『パワースポット』が流行っているが、本当にその人にとってのパワースポットになっているかどうかも分かる」(梅田氏)。

データは今後の研究に活用

JR
吉田氏や梅田氏の話に真剣に耳を傾ける参加者

 今回参加者から得たデータは、今後の健康に関する研究に活用していく予定であるという(参加者からは、個人情報利用承諾を取得済み)。イベントを監修した前出の吉田氏は、自律神経や脳機能に関する応用研究にも従事しており、「非常に貴重なデータをいただいた。今回のデータをさまざまな角度から解析して、学会などで発表していく予定だ」(同氏)と語る。

 今回のイベントでは、平均年齢が約75歳という参加者の元気な姿が目立っていた。さらに、吉田氏や梅田氏によるセンサ活用の意義についての解説に非常に熱心に耳を傾けるなど、参加者の健康への意識の高さもうかがえた。今後、このような健康意識の高い高齢者はますます増えていくだろう。やり方次第では、さまざまな健康サービスの市場が広がる可能性がありそうだ。

本記事は、デジタルヘルスOnlineの事例研究からの再掲載です。