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 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、クラウド型のゲーム配信サービスを手掛ける米Gaikai社を約3億8000万米ドルで買収する(発表資料)。2012年6月30日(日本時間)に正式に契約を締結し、同年8月末までに買収が完了する見込みだ。ゲーム業界では、以前からSCEがGaikai社を買収するのではないかと噂されていたが、それが現実になった。

 クラウド型のゲーム配信サービスでは、サーバーでゲームの演算処理を行い、その結果を映像としてクライアント機器に伝送する。ゲームに特化したハードウエアをわざわざ用意する必要がなくなる。光ファイバ通信やLTEなどの高速な通信環境が整っていれば、ハードウエア面で性能がやや劣る機器でも据え置き型のゲーム専用機と同じように遊べる。

 Gaikai社は2008年に設立され、現在は大別して二つの事業を手掛けているという。一つは、ゲーム・ソフトの試遊版を配信できるシステム。ゲーム提供企業(いわゆる、ゲーム・パブリッシャー)や量販店などのWebサイトに向けて、このシステムを提供している。もう一つは、インターネット接続機能を備えた機器への配信システムである。例えば、韓国Samsung Electronics社や韓国LG Electronics社のスマートテレビである。ただし、まだサービスを開始しておらず、今回の買収で状況が変わる可能性もある。つまり、実用化しているのは試遊版を配信するためのシステムだけである。

 Gaikai社は、欧米を中心に全世界で27カ所のデータ・センターを持つという。米国やカナダ、オーストリアなどの欧州、そして日本などである。合計88の国や地域に提供できる規模とする。

 クラウド型のゲーム配信サービスを手掛ける企業はGaikai社以外にも複数ある。その中からGaikai社を選んだ理由として、技術力と人的リソース、そして自前のデータ・センターを持つことを挙げている。Gaikai社には現在、85名ほどの社員がいるという。買収後もほぼそのまま残る予定だ。

なお、買収後の方針について、SCEは詳細を明かしていない。