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「ゲーム開発者にとっての“パズル”を作ってはいけない」

 PS4の設計における基本コンセプトとは、どのようなものだったのだろうか。根底に流れていたのは、「『ゲーム・ソフトの開発者にとっての“パズル”を作ってはいけない』という思い」(Cerny氏)だったという。

 「例えば、主記憶として外部メモリの他にeDRAM(オンチップDRAM)を用意したら、メモリ帯域幅がTバイト/秒級になるだろう。性能的には大きな進歩だ。しかし、開発者には『小容量のeDRAMと大容量の外部メモリのどちらに、どのデータを置けば最も速く動作するのか』というパズルを解いてもらうことになってしまう。そうした状況は避けたかった。開発者がゲームの価値の創造に時間を割けるようにすることを最優先した」(Cerny氏)。

(写真:加藤 康)

 そこでSCEは、基本アーキテクチャはパソコンを踏襲しながら、ゲーム機として求められる独自技術を盛り込むという方針を選んだ。「『Supercharged PC Architecture』というコンセプトに対して、開発者からはとても良い反応があった。大幅な性能向上と開発しやすさを両立できたからだ」(Cerny氏)。多くのゲーム・タイトルの開発を手掛けてきた同氏の経験に照らしても、「本当に開発しやすいハードウエアになった」(同)という。

 独自に拡張した「Supercharged」の部分は、「非常に多くあるが、代表的なものは四つだ」(Cerny氏)。(1)CPUとGPUの間で高速にデータを転送できる機構、(2)GPU内のキャッシュ・メモリからの書き戻し回数を減らす機構、(3)演算やグラフィックス描画の処理について多階層で優先順位を付けられる調停機構、(4)GPUの前処理をCPUに肩代わりさせる機能、を盛り込んだという。「我々はイノベーションを主導する会社を自負している。PS4にも、我々らしい尖った独自技術をしっかり盛り込めた」(同)と振り返る。

Mark Cerny氏へのインタビューの内容は『日経エレクトロニクス』2013年4月1日号のpp.12-13に掲載しています(『日経エレクトロニクスDigital』版はこちら)。
■変更履歴
記事掲載当初、Mark Cerny氏のお名前を誤ってMark Cerney氏と表記しておりました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/04/12 11:15]