PR
今回の事業譲渡の概要(資料:富士通)
今回の事業譲渡の概要(資料:富士通)
[画像のクリックで拡大表示]
会見する山本正巳氏 Tech-On!が撮影。
会見する山本正巳氏 Tech-On!が撮影。
[画像のクリックで拡大表示]

 富士通は、富士通セミコンダクターらが手がけるマイコンとアナログ半導体の設計・開発事業を米Spansion社に売却する(富士通のニュースリリースSpansion社のニュースリリース)。富士通は2013年4月30日、2事業を約1億1000万米ドル、棚卸資産を約6500万米ドルで譲渡することで、Spansion社と最終契約を締結した。譲渡は2013年7月~9月に完了する見込み。

 譲渡するのは、富士通セミコンダクターとその子会社の富士通VLSIおよび富士通マイクロソリューションズが手がけるマイコンとアナログ半導体の設計・開発事業。マイコンとアナログ半導体の年間売上高は約550億円(2012年度実績)で、富士通の連結売上高の約1.3%である。これらの設計・開発事業を富士通にいったん吸収分割したうえで、富士通セミコンダクターが新設する子会社へさらに吸収分割して承継させ、その新会社の全株式をSpansion社の日本法人に譲渡する。

製造は富士通セミコンダクターが継続

 なお、マイコンやアナログ半導体の製造は富士通セミコンダクターがSpansion社の委託を受けて、引き続き担当する。また、マイコンやアナログ半導体の国内販売は、富士通エレクトロニクスが、Spansion社の販売代理店として従来同様のサポートをする。

 富士通は2013年2月、半導体事業のうち、SoC事業をパナソニックと統合し、SoCの製造事業を台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing社(TSMC)らと共同で設立するファウンドリーに移管することを発表していた。富士通セミコンダクターの従業員は現在およそ8600人だが、このうち約3500人がパナソニックとの新会社またはTSMCらと設立するファウンドリーに転籍し、約1000人がSpansion社に転籍する。また、国内で約2000人、海外で約400人が退職する予定。富士通セミコンダクターには約1700人が残り、主としてマイコンやアナログ半導体の製造・販売に従事する。

半導体とは距離を置く

 2013年4月30日に東京の本社で開いた2012年度決算説明会において、代表取締役の山本正巳氏が半導体事業の再編に関して説明した。同氏によれば、再編は、現在、5合目に達した状態だとした。パナソニックと進めているSoC新会社、およびTSMCらと進めている三重工場の移管については、「共に上期中に決着できる」(同氏)との見通しを示している。

 また、富士通グループの半導体産業へのかかわりに関しては、次のように説明した。「半導体は産業のコメと言われて久しいが、それは現在も変わっていない。ICT産業だけでなく、多くの産業にとって半導体は大切だ。三重工場が半導体製造拠点として日本に残ることは意味がある。ただし、富士通グループは半導体事業そのものとは少し距離を置く。我々はサーバー向けプロセサや携帯電話向けSoCの開発に深く関与する。」(山本氏)。

■変更履歴
記事公開当初、富士通セミコンダクターの従業員の転籍や退職などに関して誤りがありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。