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 スマートフォン向け小型マイク/スピーカの大手である米Knowles Electronics社は、出力が1Wの小型スピーカの量産を2013年4月末までに始めた。振動板にシリコーンを採用して、大きな音圧レベルを実現するとともに、防水性を持たせた。11mm×15mm×3.5mmの標準的な寸法の角型パッケージに収めている。150℃の高温に耐える。

 Knowlesは、MEMS(微小電子機械システム)技術で実現した小型マイクを2002年に製品化し、携帯電話機やスマートフォンなどに向けて累積30億個以上を出荷してきた。2013年には15億個以上を出荷する計画であり、音響デバイス市場に強い影響力を持っている。2011年にはオランダNXP Semiconductors社から小型スピーカ事業を買収して、同市場にも参入した。ただし、7~8割とみられる小型マイクほど高い市場シェアは獲得しておらず、今後は製品ラインナップを拡大して販売を拡大していく意向だ。

 今回出荷するのは、シリコーン薄膜を振動板に使う。シリコーンは、限られた寸法で最大1Wという大出力を得られ、十分な寿命を実現できる材料として選んだ。同じ大きさのパッケージでは0.5Wの出力が最大だった。今回はコイルと磁石を従来の1組から3組に増やして振動板の駆動エネルギーを大きくしている。半導体製造技術を生かせるSi(シリコン)薄膜を振動板とすることは、大出力を得る上で難しいという。

 シリコーン薄膜は周囲を支える側壁と一体形成し、パッケージに被せるように接着することで、液体の浸入を防いでいる。IPx8の防水性能を備え、深さ1.5mの水中に30分間浸した後でも動作する。日本メーカーが採用しているスマートフォン向けスピーカの多くは防水機能を備えており、Knowlesは日本メーカーへも販売しやすくなる。「Cobra」と名付けた製品シリーズとして展開する。

 プリント配線基板面に対して垂直方向に音を出す製品と、水平方向に出力する製品を用意した。後者は、前者よりも実装時の厚みが2mm薄い。いずれも電子部品用の自動実装機での装着に対応している。