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決算について説明する同社 代表取締役社長の綿貫英治氏
決算について説明する同社 代表取締役社長の綿貫英治氏
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同社が「スーパーハイエンド」と位置付ける製品群
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同社が認識している課題を示したスライド
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 太陽誘電は2013年5月14日、2013年3月期(2012年度)の連結決算を発表した。売上高は前年度比5.0%増の1929億300万円、営業利益は前年度が80億1000万円の赤字だったのに対し49億9300万円の黒字だった。経常利益は前年度が90億7000万円の赤字だったのに対し72億6000万円の黒字、当期純利益は前年度が215億9900万円の赤字だったのに対し20億円の黒字を達成した。同社は赤字が常態化していたが、2012年度で黒字転換した。同社 代表取締役社長の綿貫英治氏は「これまで負け組の会社だったが、ようやくスタート台に立てた」と語った。

 収益改善に向けた体質改善策が功を奏した。具体的には「海外生産比率の拡大」「不採算商品の撤退」「国内外の拠点再編と人員削減」「設備投資の抑制(減価償却費の範囲内に抑える)」などだ。海外生産比率は、2013年1~3月の時点で60%だという。

 ただし、期初予想および前回予想との比較では未達が目立つ。売上高は期初予想比8%減、前回予想比1%減。営業利益は期初予想比50%減、前回予想比増減なし。経常利益は期初予想比19%減、前回予想比21%増、当期純利益は期初予想比64%減、前回予想比33%減である。

 売上高が期初予想から約170億円減った内訳は、70%がスマートフォンなどの通信機器関連、16%がパソコンなどの情報機器関連、14%がテレビなどの民生機器関連だという。未達の主な原因は生産体制の不備。SAWデュプレクサは、米国や韓国で採用が一気に進む動きだったが、生産体制の確立が遅れ、2012年7月から拡販を中止せざるを得なかった。2012年に立ち上げたスマートフォン用のメタル・コイルも、生産の立ち上げがうまくいかず、拡販に影響が出た。

 売上高の内訳は、電子部品が1709億2500万円(前年度比6.3%増)、記録製品が154億1200万円(同4.6%減)、その他が65億6500万円(同3.3%減)で、ほとんどを電子部品が占める。電子部品の内訳は、コンデンサが898億5200万円(同8.5%増)、フェライトおよび応用製品が284億9000万円(同2.0%増)、複合デバイスが478億400万円(同3.8%増)、その他電子部品が47億7800万円(同17.0%増)である。

自動車向けと産機向けを拡大

 同社は2013年度の業績予想も発表した。売上高は前年度比14.0%増の2200億円、営業利益は同300.5%増の200億円を見込む。経常利益は190億円、当期純利益は130億円の予想である。

 収益改善のための取り組みは大きく二つ。まず、同社が「スーパーハイエンド」と位置付ける製品の比率を上げる。スーパーハイエンドとは「ワールドワイドでナンバー1が期待できる商品」「業界で2.5社しか展開できない商品」「成長市場向けの商品」「顧客が求める強い商品力を持った商品」だという。具体的には、小型大容量MLCC、メタル・コイル、SAW/FBARデバイスなどが相当する。2011年度のスーパーハイエンドの比率は18%だったが、2012年度は27%に拡大した。2013年度は35%、2014年度は44%を目指す。

 もう一つの取り組みは、同社が「注力すべき市場」と位置付ける自動車向けと産業機器向けの拡大だ。これによりスマートフォンだけに依存するリスクを軽減する。綿貫氏は「自社製品のコンデンサやインダクタの90%が、実際には自動車向けや産機向けに対応できる品質を持っていたにもかかわらず、こうした市場には売ってこなかった」と語る。これらの売上高構成比は、2011年度は5%だったが、2012年度には10%に拡大した。「2014年度には20%になる絵が描けそう」(綿貫氏)とする。