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講演する島内氏
講演する島内氏
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 2013年6月15日に京都市で開催された「FD-SOI Workshop in Japan」(主催:SOI Industry Consortium)では、ファウンドリー大手の米GLOBALFOUNDRIES社が講演し、完全空乏型SOI (FDSOI)トランジスタ技術への取り組みを語った(関連記事)。同社は、28nm世代FDSOI技術の量産化を宣言した伊仏STMicroelectronics (ST)社から同技術のライセンスを受ける最初の大手ファウンドリーである。登壇者は、グローバルファウンドリーズ・ジャパン 代表取締役の島内秀氏。

 GLOBALFOUNDRIES社は、バルクCMOSトランジスタの後継技術として立体トランジスタ(FinFET)とFDSOIの開発を並行して進めている。FinFETの難点としては、トランジスタの寄生容量が増えたり、製造技術の難度が増したりすることがあるという。対して、FDSOIは薄いSiチャネルの膜厚制御こそ難しいものの、「バルクCMOSトランジスタで得た知見を製造技術に生かしやすい」(島内氏)。ただし動作速度ではFinFETが有利とみて、「FinFETは高性能なアプリケーション、FDSOIは低電力のアプリケーションに適する」(同氏)とした。

 FDSOIは製造コストでも有利だと同社はみる。28nm世代のSiONゲート/多結晶Si技術をHKMG(high-kゲート絶縁膜/メタル・ゲート)技術に置き換えた場合、動作速度が30%高まる代わりに、製造コストも30%上がってしまうという。対して、HKMG技術の代わりにFDSOI技術を採り入れた場合は、動作速度を30%高めつつ、製造コストの増分は10%に抑えられるとした。露光マスク枚数が少なくて済むことなどによる。

 一般に、FDSOIは基板コストが高いことが問題視されるが、露光マスク枚数を減らしやすいことなどから、「基板コストは相殺できる可能性が高い」と島内氏は話す。FDSOIでは基板バイアス制御を加えるためにチップ面積が最大3%ほど増える見通しとするが、このコストもトランジスタ密度の向上や(放熱性が高まることによる)パッケージ・コストの低下で吸収できる見込みとした。