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信越半導体による講演の様子
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FDSOIウエハーの仕様
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FDSOIウエハーの要求値
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SOI層厚さの評価結果
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BOX層厚さの評価結果
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欠陥密度の評価結果
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表面の平坦性の評価結果
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 2013年6月15日に京都市で開催された「FD-SOI Workshop in Japan」(主催:SOI Industry Consortium)では、Siウエハー最大手の信越半導体が、完全空乏型SOI(FDSOI)対応のウエハー(以下、FDSOIウエハー)に対する取り組みを語った(関連記事1同2)。Siチャネル(SOI)層や埋め込み酸化膜(BOX)層の厚さ制御、ウエハー表面の平坦性制御などの点で、既に量産仕様に近い水準を実現できているという。「市場のニーズがあれば、FDSOIウエハーを大規模に量産する用意がある」(同社)とした。

 信越半導体は、1997年にフランスSoitec社から張り合わせによるSOIウエハー製造技術「SmartCut」をライセンスしている。これを基に、2001年に200mm径の部分空乏型SOIウエハー、2002年に300mm径の部分空乏型SOIウエハーの量産を始めた。2012年には、Soitec社とのライセンス契約を10年間延長する契約を交わしている。現在は、グループ傘下の長野電子工業(長野県)で200mm径以下の厚膜SOIウエハーおよび薄膜SOIウエハーを製造し、磯辺工場(群馬県)で300mm径の薄膜SOIウエハーを製造している。

 同社は目下、SOIウエハーの新しいポートフォリオとして、300mm径のFDSOIウエハーの開発を進めている。FDSOIウエハーでは、SOI層とBOX層の厚さが非常に薄くなり、求められる制御性も高い。満たすべき仕様値は、SOI層の厚さが12nm、BOX層の厚さが25nm、ウエハー表面粗さは0.1nm未満とする。SOI層の厚さバラつきはウエハー全面で±0.5nm以内に抑える必要がある。これらはウエハー・メーカーにとって「極めて厳しい要求」(信越半導体)といい、ウエハーの欠陥密度についても極めて低い値に抑えなければならないとした。

 同社はこれらの要求を満たすための技術開発を進めている。例えば、SOI層の厚さの均一性を高めるために、ウエハーの酸化や不純物添加、ハンドリング・ウエハーからの分離などの各プロセスの最適条件を探っているという。これまでの開発の成果として、SOI層の厚さとBOX層の厚さの両方について、バラつきを±0.5nm以内に抑えることが可能になってきたとする。