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久野氏
久野氏
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システムの概要
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 筑波大学などは2013年7月2日、「自治体共用型健幸クラウド」の開発について記者会見を開催した。健康を核としたまちづくり施策の企画・分析・評価に向けたシステムである。

 このクラウド・システムは、1府4県7市の広域連携で実施する「健幸長寿社会を創造するスマートウエルネスシティ総合特区」の事業の一つとして開発されたもの。ネットワーク構築やデータ管理などをNTT東日本、ビッグデータを解析・予測するテンプレートなどを日本IBMがそれぞれ開発した。

 今回のシステムの最大の特徴は、7市の自治体に渡る国民健康保険・介護保険・社会保険の健康診断およびレセプト・データを一元化したこと。これにより、「住民の約7割の健康データを一元管理・分析できるようになる」(筑波大学大学院 人間総合科学研究所 教授の久野譜也氏)。

 これまで自治体としては、国民健康保険の対象となる住民の健康データしか把握できなかった。これに対して、社会保険などの対象者のデータも一元化したことで、「対象者が増えただけでなく、幅広い年代や職種の住民をカバーできるようになった」(久野氏)とする。

 今回のシステムでは、前述の健康データなどを一元化する他、各都市の近隣環境やコミュニティの活性度など、健康に影響を与える各種の要因も取得し分析する。これらを総合的に評価した結果を「健幸都市インデックス」と呼ぶ指標で“見える化”する仕組みも導入した。

 自治体としては、このシステムの導入によって、住民の健康状態や将来の健康リスクなどを把握し、医療費抑制などの施策立案につなげる。さらに、住民の健康を維持するためには「個人の健康意識などを変えるだけではなく、都市環境を変える必要性がある」(久野氏)という観点から、まちづくりの施策にもつなげていくことを狙う。「このシステムで得られるデータを、自治体などがどう活用していくのかが今後の課題」(同氏)とする。

 当面は、七つの自治体において同システムを活用した施策検証を進める。さらに2014年度以降は、全国自治体への普及を目指す。