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量産化したReRAM混載マイコンを集積した200mmウエハー
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パッケージ封止品
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想定するアプリケーション
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消費電流を従来比半減
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製品ラインアップ
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アイ・ティー・シーネットワーク製センサへの応用事例。今回のReRAM混載マイコンに加え、パナソニック製のマルチバンド無線LSIやNFCタグLSIを搭載する。920MHz帯のデータ送信機能を備える他、スマートフォンからNFC経由で各種設定を変更できる。
アイ・ティー・シーネットワーク製センサへの応用事例。今回のReRAM混載マイコンに加え、パナソニック製のマルチバンド無線LSIやNFCタグLSIを搭載する。920MHz帯のデータ送信機能を備える他、スマートフォンからNFC経由で各種設定を変更できる。
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電子タグへの応用事例(電子ペーパーは米E Ink製)。ReRAM混載マイコンとNFCタグLSIを搭載し、表示情報をスマートフォンで書き換えられる。NFCによる通信時電力を用いて書き換え可能で、電池は内蔵しない。
電子タグへの応用事例(電子ペーパーは米E Ink製)。ReRAM混載マイコンとNFCタグLSIを搭載し、表示情報をスマートフォンで書き換えられる。NFCによる通信時電力を用いて書き換え可能で、電池は内蔵しない。
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ReRAM混載マイコンの評価用スタータ・キットでは、パソコンのUSB端子に接続して評価を行える。
ReRAM混載マイコンの評価用スタータ・キットでは、パソコンのUSB端子に接続して評価を行える。
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 パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、ReRAM(抵抗変化型メモリ)を混載した8ビット・マイコン「MN101LRシリーズ」の量産を2013年8月に開始する。血圧計や活動量計などの携帯型ヘルスケア機器や、火災報知器などのセキュリティ機器、各種のウエアラブル機器やセンサ機器、非接触ICカードなどの用途を見込む。同社北陸工場砺波地区の200mmウエハー対応の0.18μm世代ラインを用いて、100万個/月の規模で量産を開始する。既に2ケタの顧客を獲得しており、搭載製品の市場投入は2013年内に始まる見通し。ReRAMは世界中で開発競争が繰り広げられている次世代不揮発性メモリであり、量産化はこれが初めての事例だ。

 ReRAMは、金属酸化膜中の酸化・還元反応を利用してデータを記憶する不揮発性メモリである。現在主流のマイコン混載メモリであるフラッシュ・メモリに比べると、書き換えが高速でしかも消費電力が小さいという特徴がある。パナソニックはここに着目し、電池駆動型のポータブル機器などをターゲットに、かねてReRAMを混載する低電力マイコンの開発を進めてきた。メンテナンス(電池交換)頻度を低減できる利点を機器メーカーに訴求するとともに、将来は環境発電(エネルギー・ハーベスティング)素子と組み合わせて“バッテリ・レス”につなげたい考え。2012年5月にはReRAM混載マイコンの評価用スタータ・キットの提供を開始していた。

 今回量産化した8ビット・マイコンでは、「不揮発性メモリを混載するマイコンとして、業界最小の消費電力を実現した」(マイコン事業などを統括する、パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 セミコンダクター事業部 システムインテグレーション 総括の多那瀬寛氏)。現行のフラッシュ・メモリ混載マイコンに比べると、待機時消費電流を約60%低減でき、間欠動作時の平均消費電流は約50%低減できるという。動作電圧3V、動作周波数32kHzの場合の待機(クロックカウント)時電流は約200nAである。動作電圧(読み出し電圧)も最小0.9Vと、1Vを切る水準に引き下げられる。消費電力が小さいことに加えて、1バイト当たりのデータ書き換え時間は電源電圧3V時に約15μsと、フラッシュ・メモリ混載マイコン比で66%低減するという。

 この他、ReRAMにはバイト単位での書き換えが可能という、フラッシュ・メモリにはない特徴がある。これが「ユーザーに大きなメリットと感じてもらえている」(多那瀬氏)という。フラッシュ・メモリでは必須のブロック単位での消去動作を不要にできることから、例えばセンサ機器では「外付けのEEPROMを使わずにデータを常時計測および記録したり、データの一部だけを瞬時に書き換えたりするような使い方が可能となり、マイコンの応用範囲が広がる」(同氏)としている。

 パナソニックのReRAMは、抵抗変化材料にTa(タンタル)酸化物を用いたもの。Ta酸化物は、他の相変化材料に比べて「抵抗変化の安定性が高く、書き換え回数などを高めやすい」(パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 セミコンダクター事業部 システムインテグレーション LSI事業総括センター メモリ開発グループ グループマネージャーの菊川博仁氏)という。書き換え回数は105回、データ保持時間は85℃で10年を保証する。抵抗変化に酸化・還元反応を使うことから、「強磁場下など、さまざまな動作環境で高い動作信頼性を確保できる」(同氏)点も大きなメリットとする。

 今後、同社は幅広いラインアップのReRAM混載マイコンを市場投入していく考え。今回は第1弾製品として、液晶表示制御や12ビットA-D変換器、時計(リアルタイムクロック)などの周辺機能を内蔵する16品種を製品化した。動作周波数は32kHz(動作電圧1.1~3.6V)、1MHz(同1.3~3.6V)、または10MHz(同1.8~3.6V)である。搭載した8ビットのCPUコアは、ReRAM混載マイコン向けに新規開発したもの。ReRAM搭載容量(プログラム領域/データ領域)は、41Kバイト/16Kバイト、53Kバイト/8Kバイト、59Kバイト/4Kバイト、62Kバイト/2Kバイトの4種類。パッケージは、TQFPの80端子品(外形寸法12mm角)/64端子品(同10mm角)/48端子品(同7mm角)と、HQFNの32端子品(同5mm角)の4種類である。