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左上にあるのがPS Vita TVで、左下はDUALSHOCK 3である。右上にあるのが、PS Vitaの新機種
左上にあるのがPS Vita TVで、左下はDUALSHOCK 3である。右上にあるのが、PS Vitaの新機種
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PS Vita TVの端子部
PS Vita TVの端子部
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 2013年9月10日、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は2013年9月10日、報道機関向けに同社 代表取締役社長 兼 グループCEOのAndrew House氏へのラウンドテーブルを実施した。前日に発表された、日本市場における同社のゲーム事業の説明会を受けての開催である(Tech-On!関連記事)。記者からの質問を受けるかたちで、同説明会で発表された、次世代の据置型ゲーム機「PlayStation(PS) 4」や携帯型ゲーム機「PS Vita」の新機種、そしてテレビに外付けすることで映像サービスやゲームを楽しめるようになる周辺機器「PlayStation(PS) Vita TV」などについて言及した。その内容を2回に分けて掲載する。まず本稿では、前日の説明会で初めて公表され、ラウンドテーブル内で質問が集中したPS Vita TVについて取り上げる。

将来はPS3用ゲームのクラウド配信も

 PS Vita TVは、さまざまなゲームをプレーできる小型のセットトップ・ボックス(STB)のようなものだ。テレビとHDMI端子を通じて接続して利用する。PS Vita向けゲームの他、インターネットを通じて配信される初代PlayStationやPSP向けゲームもプレーできる。SCEは今後、PS4やPS3向けにクラウド型のゲーム配信サービスを通じてPS3用ゲームも提供する。PS Vita TVもこうしたクラウド・ゲームに「技術的には対応可能」(House氏)である。そのため、将来的には同サービスを通じて、PS Vita TVにPS3用ゲームを配信することを検討している。

 ゲームだけでなく、映像配信サービスや定額制音楽配信サービスや電子書籍配信サービスにも対応する。もちろん、Webページの閲覧やメールの送受信も可能である。

家族利用、カジュアル・ゲーマーを狙う

 PS Vita TVの競合と想定されるのが、米Google社の「Chromecast」や、米Apple社の「Apple TV」などである。こうした競合製品に比べてPS Vita TVの優位点として、豊富なゲーム・コンテンツを利用できる点を訴求する。「現時点で1300タイトル以上のゲームをプレーできる。カテゴリーは多く、価格も多様で購入しやすく、PS Vita TVの普及を期待できるラインアップと価格だ」(House氏)と胸を張る。

 PS Vita TVは、リビングにおいて家族でコンテンツを楽しむことに重きを置いて開発したという。PS Vita TVの商品コンセプトが出たのは、PS Vita発売の約4カ月前に相当する2011年8月ごろ。その後議論を重ね、開発に本格的に取り組んだのは約1年前だと説明する。ゲームに関しては、PS4で狙うようなゲーム愛好者(いわゆるコア・ゲーマー)ではなく、気軽にゲームを楽しむカジュアル・ゲーマーの利用を主に想定しているという。こうしたユーザー層を想定したため、開発当初から1万円を下回る価格で販売することを目標に据えた。実際PS Vita TVの価格は9480円(税抜)である。

 PS Vitaには映像の外部出力端子は存在していないが、仮にHDMI端子を設けてテレビと接続すればPS Vita TVと同じようなことは実現できる。しかし、それでは「家族みんなでゲームを楽しみにくい。PS Vita TV は、PS3用コントローラの「DUALSHOCK 3」を複数台接続してゲームを遊べる。そうすることで、テレビの前で同じ映像を見ながらゲームを楽しめる。この違いが大きい」(House氏)と語る。PS Vita TVの発売当初はDUALSHOCK 3だけしか対応しないが、今後はPS4向けコントローラのDUALSHOCK 4の利用も可能にする予定だ。

 カジュアル・ユーザー向けとして、スマートフォンやタブレット端末に対するゲーム配信サービス「PS Mobile」がある。言い換えれば、SCEがカジュアル・ユーザー向けに提供するプレイステーション・プラットフォームの“入り口”が二つある。このうち、PS Vita TVの方が、「本当の意味で、プレイステーションの世界を堪能できる」(House氏)という。DUALSHOCK 3のようなゲーム用コントローラを利用できるというのがその理由だ。

アジア市場を視野に

 PS Vita TVは、2013年11月14日の日本の発売を皮切りに海外市場で販売する計画である。日本市場を先行させた一因として、映像ストリーミング分野において、「日本市場で優位に立つ企業がまだおらず、チャンスが大きい」(House氏)との判断からである。海外市場では、中国や韓国などのアジア市場での展開を視野に入れる。一方、欧米市場への展開は現時点で考えていないとする。

 アジア市場のうち、大きな期待を寄せるのが中国市場である。これはPS Vita TVに限ったことではなく、SCEが手掛ける製品全般にいえることだ。現状では中国政府は家庭用ゲーム機の販売を禁止しているが、それが解禁される見込みとされている。そのため、「上海市の自由貿易試験区など、中国で家庭用ゲームの販売が解禁されれば大きなビジネス・チャンスになる。非常に期待している」(House氏)とする。