2013年の太陽光発電向けのパワーコンディショナー(PCS)市場は、前年比9%減の64億米ドルになると予測(出所:米IHS社)
2013年の太陽光発電向けのパワーコンディショナー(PCS)市場は、前年比9%減の64億米ドルになると予測(出所:米IHS社)
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 調査会社の米IHS社は10月、2013年の太陽光発電向けのパワーコンディショナー(PCS)市場が、前年比9%減の64億米ドルになる見通しとの予測を発表した(図)。2012年は71億米ドルだった。

 台数ベースでは、前年比7%増となる見通しで、家庭用や大規模発電所用で全般的に急激に価格が下落したほか、ドイツやイタリアなどの飽和しつつある市場において、さらに激しい価格の下落が生じるなど、価格の下落が台数の増加による効果を上回るためとしている。

 メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設が進んでいることなどから、太陽光発電システム全体の価格が急速に下がっており、価格の下落圧力がPCSにも及んでいる。7月にIHSが発表した予測では、前年比5%減としており、その後も価格の下落が想像を上回るペースで進んでいることを伺わせる。

 今回の予測では、PCSの平均価格が、2012年の1W当たり0.22ドルから、2013年は同0.18ドルに下がる見通しとする。

 IHSの太陽光発電市場担当上級アナリストのCormac Gilligan氏によると、これまで急速な下落が続いてきた太陽光パネルの価格が、変曲点に差しかかり、上昇し始めつつある。このため、太陽光発電システム全体の価格を引き下げるためのターゲットが、PCSに向いていると分析している。

 PCSメーカーにとっては、太陽光パネル・メーカーに代わって、価格下落への圧力を一部、吸収せざるを得ない構図となっており、かつ、競争が激しくなっていることから、市場を獲得するために、さらに価格を下げざるを得ない状況にあるとする。

 また、多くの国において、政府による助成制度が取りやめになったり、補助金の額が減額していることも、PCSメーカーにとって、価格を下げざるを得ない状況を加速させている。

 こうした国に、ドイツやイタリアといった市場規模の大きな国も含まれており、これらの国の一部では、需要が減少している。例えば、ドイツとイタリアで販売されるPCSの定格出力の合計は、2012年の11.5GWから、2013年は5.7GWと、約1/2に減少する見込みである。

 ドイツやイタリアの需要の減少もあって、2013年の欧州のPCS市場は、金額ベースで2011年に比べて50%減となる見通しとなっている。このため、この二カ国への依存度が高かったPCSメーカーは、特に激しい価格競争に晒されているとする。また、南アフリカやタイなど、今後の成長が見込まれる新興市場に注力するPCSメーカーも出てきた。

 定格出力35kW機に代表される低出力機の市場は、欧州を中心に2013年上期に大きく縮小したという。欧州などでの競争の激化に加えて、中国のPCSメーカーが、この市場をターゲットにするなど、多くのメーカーが競合していることから、価格の下落も進んだ。欧州市場における一般家庭用などの価格は、前年比20%減の1W当たり0.14米ドルとなる見通しである。

 一方、米国では、ドイツSMA社と、米Power-One社という大手2社が、低出力機の市場を押さえている。

 IHSでは、米国における20~35kW機の市場が、2013年に200MW以上に達すると予測している。大手2社による新製品が、米国の20~35kW機の市場の成長を牽引しており、米国市場での20~35kW機の市場におけるPCSの価格は、欧州市場に比べて相対的に高いものの、今後、欧州並みの価格に下落していく可能性があると指摘した。

 大規模発電所向け市場は、2012年にはPCS市場全体の29%から、2013年には1/3に高まる見通しである。ここでも価格の下落は進んでおり、集中制御用のPCSの価格は、前年比16%減の1W当たり0.12米ドルになると予測している。

 2013年の大規模発電所向け市場では、中国やインド、タイなどのアジアが最大市場となる見通しである。ただし、アジア市場での大規模発電所向けPCSの価格は、1W当たり0.06と、とても低い。成長の機会は大きいものの、顧客を獲得できていないPCSメーカーにとっては、収益面で参入するうまみが小さい市場だとしている。