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新音源ICの「NSX-1」 ヤマハのデータ。
新音源ICの「NSX-1」 ヤマハのデータ。
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 ヤマハは、音源ICの新製品「NSX-1」の量産出荷を2013年10月23日より開始した(ニュース・リリース)。これまでの音源ICとは一線を画する、次世代の音源ICに仕上がったという。

 同社は、電子楽器で培った技術やノウハウを使って、多数の音源ICを開発してきた。これらのICは、電子楽器や携帯端末、アミューズメント機器、家電、自動車など、さまざまな分野や企業で使われているという。今回の製品は、過去の製品とは一線を画するものだとする。

 今回のICの開発では、同社の電子楽器技術、歌声合成技術、半導体技術、インターネット技術を結集しており、このICはまったく新しい「歌って、奏(かな)でる、次世代音源」になると説明している。一般的な「General MIDI」による音色に加えて、同社の旗艦製品だというコンサート・グランドピアノ「CFX」をもとにしたアコースティック・ピアノ音色や、インターネットなどで人気があるバーチャル・シンガーによる歌声など、幅広い音を奏でることができるとする。

 また、プログラミング言語「JavaScript」から今回のICを操作するためのライブラリと、そのライブラリを使ったサンプルのウェブ・アプリケーションをオープンソースで公開していく。このライブラリを使えば、同社外部の開発者やサプライヤも、今回のICと連動するウェブ・アプリケーションや製品を自由に、容易に開発できるという。

独自の2つの音源にも対応

 今回のICは、General MIDIに加えて、「Real Acoustic Sound」と「eVocaloid」という2つの音源に対応できる(ただし同時には使えない。事前にどちらかをプリインストールする)。前者のReal Acoustic Soundは、アコースティック楽器の微妙な変化を再現するという同社の技術「AEM(Articulation Element Modeling)」を元に開発した。CFXの音を元にした音色など、現在、30種類の音色をリアルなアコースティック・サウンドで奏でるとする。General MIDIとReal Acoustic Soundを同時に使って音を出すことも可能である。

 後者のeVocaloidも同社独自の音源である。これを使うと、インターネットなどで人気があるバーチャル・シンガーによる歌声を出力できる。eVocaloidは同社の音声合成技術「VOCALOID」の処理を組み込み用途に最適化したもので、歌声合成に必要なデータベース容量を削減するとともに、少ない処理量で歌声を合成する方式を採用した。極めて小さな遅延で歌声を合成可能だという。また、VOCALOIDの日本語女声ライブラリ「VY1」を元に開発した専用ライブラリ「eVY1」を使うことで、力強く伸びのあるロングトーンの歌声を実現できるとする。

 今回の製品の最大同時発音数は64で、4Mバイト相当の波形メモリを備える。当初の音色数はReal Acoustic Soundが30、eVocaloidが1、General MIDIは128である。今後、各音源の音色数は拡張する予定。ホストとのインタフェースは、SPI/8ビット・パラレル/16ビット・パラレル。オーディオ入力、出力とも2チャネル。外部I/O部の電源電圧は1.65~3.6V、内部コアは1.02~1.2V。待機時消費電流は10μA。動作時は12~22mA。パッケージは80ピンLQFP(0.5mmピッチ、12mm×12mm)と76ボールFBGA(0.5mmピッチ、4.9mm×4.9mm)の2つを用意する。サンプル価格は2000円。初年度販売目標は150万個である。