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3種のアーキテクチャと主な仕様 ARMのデータ。
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RTOSとLiunxが共存 ARMのデータ。
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 英ARM社は、「ARMv8-R」アーキテクチャを2013年10月23日(現地時間)に発表した(ニュース・リリース)。車載機器など、安全と制御を統合したアプリケーションでリアルタイム処理を行う組み込みプロセサに向けたアーキテクチャである。

 Cortex-R4/R5/R7などのアーキテクチャ「ARMv7-R」の後継にあたる。v8のアーキテクチャとしては2011年に発表した「ARMv8-A」がある(Tech-On!関連記事)。ARMv8-Aは64ビットと32ビットのレジスタを想定しているが、今回のARMv8-RはARMv7-Rと同様にレジスタは32ビット。

 発表によれば、このARMv8-Rアーキテクチャの特徴は、堅固な「ハイパーバイザ・モード」(Type1のハイパーバイザー)だとする。このモードでは、1つのプロセサ上で複数のOSや、アプリケーション、リアルタイム・タスクを処理可能で、かつそれぞれを隔離できる。これで、ソフトウエアの統合や再利用が促進されるという。また、同じプロセサ上で仮想メモリ・システムと保護メモリ・システムが共存可能である。これでLinuxのようなメモリ管理を行うOSと、リアルタイムOSが統合できるとする。

 市場にある各種OS、米Green Hills Software社の「INTEGRITY」や米Mentor Graphics社の「Nucleus」、イーソル株式「eT-Kernel」などがARMv8-Rに対応する。これらのOSとARMv8-Rベースのハードウエアとを組み合わせることで、AUTOSARやISO 26262、IEC 61508など、車載/産業機器分野の安全と相互運用性の要求を満たすことができるという。

 このほか、ARMv8-Rでは、メモリ保護方式の改良によって、コンテキスト・スイッチにかかる時間を短縮した。また、「ARM NEONアドバンストSIMD」命令を備え、画像信号処理タスクを改善した。さらに、プログラム・コードやデータの破損を検出するCRC(巡回冗長検査)など、ARMv8-Aから引き継いだ命令セットも備える。

 開発に使うARMv8-Rに対応したARMのツール「DS-5」とFast Modelsは、2014年第3四半期にリード顧客に出荷される。また、タイムド・モデルや、車載シミュレーション・システム・レベルのツール、機械的と電子的なモデリング・ツールをEDAベンダーが開発中である。なお、ARMv8-Rの詳細は、2013年10月29日~31日に米国カリフォルニア州サンタクララで開催される「ARM TechCon」で公開される。