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九州大学とアイアールスペックのデータ(第5回「マイクロ・ナノ工学シンポジウム」(2013年11月5〜7日、宮城県仙台市、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門主催、講演番号:7PM1-E-3)
九州大学とアイアールスペックのデータ(第5回「マイクロ・ナノ工学シンポジウム」(2013年11月5〜7日、宮城県仙台市、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門主催、講演番号:7PM1-E-3)
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接合部の断面。九州大学とアイアールスペックのデータ(第5回「マイクロ・ナノ工学シンポジウム」(2013年11月5〜7日、宮城県仙台市、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門主催、講演番号:7PM1-E-3)
接合部の断面。九州大学とアイアールスペックのデータ(第5回「マイクロ・ナノ工学シンポジウム」(2013年11月5〜7日、宮城県仙台市、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門主催、講演番号:7PM1-E-3)
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 九州大学と半導体センサ開発のアイアールスペックは、化合物基板とSi基板など異種基板をアレイ状バンプで高信頼に常温接合する技術を開発した。InGaAsフォトダイオードで作製した256×320画素の裏面照射型の近赤外イメージ・センサ基板と、Si製の信号処理回路基板を各画素に設けたバンプで接合させる。超音波で加振して常温接合を実現している。高温処理が不要なため、熱膨張率の違いによるずれや応力が生じない。

 開発した技術では、円錐状のAuバンプ・アレイを使う。Auバンプは、フォト・レジストで形成したレジストの型にAuめっきを施して作る。バンプ上部は、一般的には平坦だが、今回は円錐状としているために、接合時に大きく変形し、他のバンプとの高さのバラつきを吸収できる。8万点を超える320×256画素のバンプも不良なく接続できるとする。

 試作品における接合時には、周波数48.5kHz、振幅1.5μmの超音波振動で最大667.3Nの力を0.5秒間かけた。汎用的な超音波プローブを当てることで全体をほぼ均一に加振できたとする。加振はSi基板側から与え、バンプはSi基板側に設けた。欠陥なく320×256のバンプを接続できていることを確認した。デイジー・チェーンで試験したところ、1接点当たりの平均抵抗値は87.1mΩ。250℃の熱圧着接合時と同程度という。これらの結果は、2013年11月7日まで仙台市で開催された第5回「マイクロ・ナノ工学シンポジウム」で発表した(講演番号:7PM1-E-3)。

 九州大学とアイアールスペックは、今回の接合技術を使って、640×480画素(VGA)の近赤外イメージ・センサを開発中である。近赤外線イメージ・センサは、生体情報など可視光では難しいイメージを取得できることから、医療や食料など幅広い応用が可能と見ている。