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 SiCダイオードの基板を薄くしてオン抵抗を小さくする研究開発が活発化している。中でも、耐圧1.2kV以下の低~中耐圧品で盛んだ。低耐圧品ほど基板上に積層するドリフト層が薄いので、SiCダイオードのオン抵抗のうち、基板の抵抗成分が占める割合が大きくならからである。

 現在、SiC基板の厚さは350μmが主流で、薄くても230μmほどである。これをさらに薄くする研究開発に、大手のSiCパワー素子メーカーの多くが取り組んでいる。

 例えば、研磨などによって、50μmにまで薄くしたSiC基板を利用して、耐圧700VのSiCショットキー・バリア・ダイオード(SBD)を試作したのがロームである。SiC関連の国際学会「ICSCRM 2013」(2013年9月29日~10月4日開催)では、従来の230μm厚の基板を利用した同耐圧のSBDと、オン抵抗の値を比較した。50μm品のオン抵抗は0.22mΩcm2で、230μm品の0.48mΩcm2の半分以下にした。

 三菱電機も、厚さ90μmのSiC基板で耐圧1.2kVのSiC SBDを試作済み。その成果をICSCRM 2013で発表した。具体的なオン抵抗の値を明らかにしなかったが、300μmほどの厚さの基板を用いた同耐圧のSBDに比べて、オン抵抗は0.4mΩcm2分減ったという。

 ドイツInfineon Technologies社も薄いSiC基板を利用したSiCダイオードの研究開発に取り組んでいる。2013年5月に開催されたパワー半導体の国際学会「ISPSD 2013」(主催は電気学会)では、基板を110μmにまで薄くした耐圧650VのSiCダイオードを発表している。