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図1●講演する佐藤徹氏 Tech-On!が撮影。スクリーンは東芝のスライド。
図1●講演する佐藤徹氏 Tech-On!が撮影。スクリーンは東芝のスライド。
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図2●再利用可能なサブフローをLabVIEWで「vi」として定義しておく 東芝のスライド。
図2●再利用可能なサブフローをLabVIEWで「vi」として定義しておく 東芝のスライド。
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図3●TestStand上でviを組み合わせる 東芝のスライド。
図3●TestStand上でviを組み合わせる 東芝のスライド。
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図4●マトリクス・スイッチ(手前中央)を入れて配線の付け替えの手数を低減 手前左のボードに評価対象のICをセットする。奥にはPXIモジュールを複数収めた筐体がある。東芝の写真。
図4●マトリクス・スイッチ(手前中央)を入れて配線の付け替えの手数を低減 手前左のボードに評価対象のICをセットする。奥にはPXIモジュールを複数収めた筐体がある。東芝の写真。
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図5●今回の手法の効果 東芝のスライド。
図5●今回の手法の効果 東芝のスライド。
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 東芝は、ミックスト・シグナルICの試作品の評価に米National Instruments社のハードウエア製品とソフトウエア製品を適用した。HDD向け衝撃センサーICの試作品を評価したところ、評価期間を従来手法に比べて1/143に短縮できた。

 東芝の佐藤徹氏(セミコンダクター&ストレージ社 ミックスドシグナルIC事業部ミックスドIC設計技術部パワーアナログIC設計担当 主務)は、「NI Days 2013」(日本ナショナルインスツルメンツが2013年11月1日に東京で開催)に登壇して、今回の適用事例について講演した。同氏はミックスト・シグナルICの設計に加えて、設計したICの試作品の評価や、量産テスト仕様の決定などの業務を行っている(図1)。

 今回、製品開発の効率化を狙って、試作ICの評価手法の改善を試みた。例えば、試作ICの評価期間を短縮できれば、その結果を設計に早期にフィードバック可能になり、開発期間全体の短期化が期待される。短縮できた評価期間を別の項目の評価に充てることも可能になる。例えば、仕掛中のICの要求仕様より広い範囲で測定しておけば、設計した回路を将来アナログIPコアとして再利用することが容易になる。

 佐藤氏はこれまでボックス・タイプの計測器を複数使い、評価フローをExcel上でVBA(Visual Basic for Applications)を使って定義し、実行していた。今回、計測用ハードウエアには複数のNI製PXIモジュールを使った。そして、NIの計測制御用ソフトウエア「LabVIEW」を使って評価フローを定義し、評価を実行した。ただし、ここまでだとよく聞く話だ。「正直言って、PXIモジュールとLabVIEWだけだったら、従来手法からの移行はマストではないだろう」(佐藤氏)。

再利用可能なサブフローを定義しておく

 今回は、評価フローの再利用性を高めるために、NIのテスト管理ソフトウエア「NI TestStnad」も利用した。LabVIEWとTestStandの組み合わせによる評価フローの定義・実行の手順は以下の通りである。まず、各PXIモジュールに対して電圧印加や、電圧測定、特性評価など、再利用が可能な単位で評価のサブフロー(タスク)をLabVIEWで「vi」として定義しておく(図2)。

 このviは異なる評価項目や、被評価ICに対して共通に使える。あるICの評価を実施したい場合には、複数のviをTestStnad上で組み合わせて全体のフローを定義して、実行する(図3)。さらに今回、PXIモジュールと測定対象ICが載ったボード間にマトリクス・スイッチ(PXIe-2529)を入れた(図4)。これでPXIモジュールや被評価ICが変わらない限り、評価項目が変わっても、配線のつなぎ替えは不要になる。

 上述したNIのハードとソフトを使った手法をHDD向け衝撃センサーIC「TC93A33FTG」の評価に適用したところ、従来手法(ボックス型計測器+Excel/VBA定義フロー)と比較して、評価全体の時間を1/143に削減できた(図5)。今後は、評価対象のICを広げたり、NIのデータ解析・レポート作成ソフトウエア「DIAdem」を使って試作IC評価に関係した各種ドキュメントの作成などを効率化する予定である。

 佐藤氏の講演後のQ&Aの時間には、複数の質問があった。Q&Aの話題の中心は、LabVIEWとTestStandの役割分担である。LabVIEWで作るviを小さいな範囲にすると、viの再利用性は上がるものの、個別の評価フローごとにTestStand上で定義する内容が増えてしまう。一方、viを大きな範囲で作ると、TestStand上で定義する内容は減るものの、viの再利用性が下がる。このバランスを取ることで、評価フローを上手く再利用できそうだ。