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 ルネサス エレクトロニクスは、産業機器の機能安全対応時の開発負荷低減に向けて、同社マイコン用のソフトウエア・パッケージを整えた(ニュース・リリース)。対象のマイコンは、32ビットCISCマイコンの「RX631」と「RX63N」である(例えば、Tech-On!関連記事1同2)。今後、対象のマイコンを広げる。

 発表によれば、様々な産業機器で構成され大規模・複雑化している工場や産業プラントでは、産業機器の故障が原因とされる事故が報告され、従業員および社会への影響・経済的損失が問題になっているという。このため、例えば、産業機器の機能安全規格である「IEC61508」等への対応が、重要性を増しているとする。機能安全規格へ対応するためには、開発者は通常のシステム開発に加えて、セーフティ分析と呼ばれる、安全関連部に対する故障分析と故障診断手法およびその診断率検討といった、新たな作業を行う必要がある。規格の難解さも相まって、その作業が開発者の負担になっているという。

 そこで、システム開発者が実施していたこれらの作業を、ルネサスがあらかじめ実施し、その結果などを今回のソフトウエア・パッケージにまとめたた。今回のパッケージは、セーフティ・マニュアルとマイコンの自己診断ソフトウェア・ライブラリからなる。同パッケージを導入すると、システム開発者はセーフティ・マニュアルから必要な情報を選択し、提供される自己診断ソフトウエア・ライブラリを活用して、安全関連部の開発作業を加速できるという。例えば、マイコンのセーフティ分析に要する期間を短縮できるため、安全関連部におけるマイコンに関するシステム開発期間を半分程度に短縮することが可能になるとする。

主要部には自己診断ソフトウェアも提供

 パッケージに含まれるセーフティ・マニュアルには、IEC61508対応システムに向けてマイコン内部の機能ブロックごとにルネサスがセーフティ分析を実施した結果や、RXマイコン内蔵のハードウエア診断機能の活用方法、ソフトウエアによる診断手法が提示されている。ユーザーは機能安全システム開発時のリファレンスとして活用できるという。

 さらに、プロセサ・コアとSRAM、フラッシュROMに関しては、自己診断ソフトウェア・ライブラリを提供する。このうちプロセサ・コア部分の自己診断ソフトウエアは、フォールト・シミュレーション評価による診断率検証を実施して診断率の提示根拠を明確化した。これで、機能安全システム開発の効率化に貢献するという。

 なお、プロセサ・コア、SRAM、フラッシュ・メモリ以外の機能ブロックに関しては、アプリケーションの依存度が高いことから、上述のセーフティ・マニュアルに診断手法のみを提示している。システム設計者はこれに沿ってプログラムを作成することで機能安全システムとして最適な診断を実現可能だとする。

 ルネサスはこのパッケージをCD-ROMとして2014年2月より提供を始める。また、2013年11月26日~28日にドイツ・ニュルンベルクで開催される産業展示会「SPS/IPC/Drives」にて、今回のパッケージのデモ展示を実施する予定である。なお同社によれば、今回のパッケージの分析・診断手法の有効性・IEC61508規格への適合性は、すべての開発ステップにおいて認証機関「テュフ ラインランド」へ確認している。