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 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は、大規模複合施設内で多数の人が移動している様子を複数台のカメラで撮影し、その画像データから各々の人がどのような経路で移動するかを把握する実験を開始する。2014年4月に西日本旅客鉄道(JR西日本)と大阪ターミナルビルの協力を得て「大阪ステーションシティ」で始める。災害発生時などに施設管理者が適切な誘導をするといった安全対策に応用できるか検証する。

 大阪ステーションシティはJR大阪駅と直結し、飲食店やショップのほか、百貨店、オフィス、ホテル、映画館、広場などが入っている。今回の実験では、施設内に90台のカメラを設置し、得た画像データをリアルタイムに画像処理/ビッグデータ解析する。

 画像データから、個々の人を分離し、さらに各々の特徴点を抽出して、区別可能にする。特徴点は、顔を中心とした100程度の画像処理データである。90台のカメラによる画像データを分析することで、複数のカメラに映っている多数の人物から同一人物を認識して、個別に追跡していく。これによって、すべてのカメラに映っている多数の人の個々の動き(経路や滞留場所)をデータ化する。

 プライバシーに配慮し、撮影した画像データは必要なデータを取得するたびに消去する。特徴点を抽出するために使ったデータは、個人の顔を再現することができないような不可逆処理を施したものにしてある。特徴抽出に使うのは顔の面積の数%程度の画像という。

 実験では、まずはこのような解析が可能であることを確認する。さらに、施設管理者である大阪ターミナルビルが解析データで災害発生時などにおける誘導に役立てられるかを検証する。気象データなどのオープン・データのうち、有用な情報を得る上で組み合わせが有効なものも検討する予定である。