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図1●SyNAPSEチップの展示ブース
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図2●日本初展示のSyNAPSEチップ(左)
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図3●SyNAPSEチップの仕様
図3●SyNAPSEチップの仕様
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図4●SyNAPSEチップのアーキテクチャ
図4●SyNAPSEチップのアーキテクチャ
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 米IBM社は、人間の脳の構造を再現する半導体「SyNAPSEチップ」の試作サンプルを、2013年11月28日に川崎市で開催した「NANOBIC SYMPOSIUM・新川崎・創造のもりから生まれる未来」で展示した。SyNAPSEチップは、生物学的センサに反応し、同時に多くの情報源からの大量のデータを分析する脳の能力を模倣し、拡張するためのプラットフォームの役割を果たす。日本でSyNAPSEチップを見せるのは今回が初めてという。

 SyNAPSEチップは、脳の機能、省電力性、コンパクト性からヒントを得たアーキテクチャを持つシリコン・チップ。人間の脳は、演算機能を担うニューロン(神経細胞)とその接合部(シナプス)、ニューロン間をつなぐ軸索から成る。この脳を半導体で再現するために、プロセサでニューロン、メモリでシナプス、配線で軸索(axon)を実現している。今回展示したSyNAPSEチップには、256個のニューロン、1024本の軸索(axon)、256k個のシナプスを集積した。チップは3.8×106個のトランジスタから成り、45nm世代のSOIプロセスで製造してチップ面積は4.2mm2である。このうち、ニューロン部の面積は0.9mm2、軸索部の面積は0.7 mm2、シナプス部の面積は1.0mm2である。

 現在のコンピューティング・システムは、定義済みのプログラムに従って順次処理を行うもので、数十年前に設計されたもの。逐次プログラム化された高度で正確な処理が得意な半面、実社会で生み出されたノイズのあるアナログのビッグデータのリアルタイム処理に適用しようとすると消費電力などで大きな制約を受けてしまうという。これに対して、体積が約2l(リットル)の脳では、消費電力が約20Wにとどまり、比較的ゆっくり作動しているものの、認識、解釈、パターンに基づいて行動するといった作業で優れる。