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「3要素を持つのはBroadcomのみ」 左端はChris O'reilly氏。Tech-On!が撮影。スクリーンはBroadcomのデータ。
「3要素を持つのはBroadcomのみ」 左端はChris O'reilly氏。Tech-On!が撮影。スクリーンはBroadcomのデータ。
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開発中の64ビット・コアの概要 スクリーンはBroadcomのデータ。
開発中の64ビット・コアの概要 スクリーンはBroadcomのデータ。
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XLP900シリーズの後継製品に搭載予定 スクリーンはBroadcomのデータ。
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 米Broadcom社は、2013年12月5日に都内で報道機関向け説明会を開催した。今回のトピックは、同社が10月15日に発表したARMv8-Aアーキテクチャの64ビットのプロセサ・コアである(Tech-On!関連記事)。

 登壇したのはChris O'reilly氏(Sr. Director, Product Marketing, Processor and Wireless Infrastructure)である。同氏は1999年に米NetLogic Microsystems社に入り、NetLogicが2012年にBroadcomに買収されたことで、Broadcomの所属になった。開発中のプロセサ・コアも、NetLogic系の次世代のマルチコア・プロセサ通信用ICに搭載される。

 同氏によれば、その通信用マルチコア・プロセサICが適用できる潜在市場の規模は約33億米ドルだという。このうち、ネットワーキング(スイッチやルーター)が12億6000万米ドル、ストレージ(NASやSUN)が10億6000万米ドル、ワイヤレス(LTE基地局、モバイル・パケット・コア)が6億8000万米ドル、セキュリティ(侵入防止システムやdeep packet inspection)が2億7000万米ドルである。

 この33億米ドルの市場でBroadcomが強い理由を同氏は説明した。すなわち、(1)サーバー向けプロセサICメーカーの演算性能、(2)通信用プロセサの通信最適化機能(ハードウエア・アクセラレータやI/O統合機能、高い電力効率など)、(3)ネットワーキングIP(SerDesやHigi2など)の3つを持っているのは、Broadcomだけだという。

TSMCの16nm FinFETプロセスで実装

 続いて開発中の64ビット・コアの説明があった。ARMからARMv8-Aアーキテチャのライセンスを取得して、Broadcomが独自に開発している。4命令同時発行で4スレッドのスーパースカラー方式のプロセサ・コアで、オウト・オブ・オーダーでの命令実行が可能である。さまざまなアクセラレータ(専用処理回路)を備えている。台湾TSMCの16nm FinFETプロセスでの実装を想定しているという。動作周波数は最大3GHzである。

 このコアを複数個搭載した、次世代通信用ICは、XLP900シリーズの後継製品になる。XLP900シリーズ同様にNFV(network functions virtualization)を睨んだもので、プロセサ・コア、アクセラレータ、I/Oを完全に仮想化可能だという。TSMCの16nm FinFETプロセスのリスク量産が2013年末に開始予定なことを考えると、2014年中には今回の64ビット・プロセサ・コアをベースにした通信用ICが市場に登場しそうだ。

 プレゼンテーションの後のQ&Aでは、MIPSからARMに乗り換えた理由を聞く質問があった。XLP900シリーズを含めてNetLogicは基本的にMIPSのアーキテクチャを使ってきたからだ。O'reilly氏はMIPS対応をやめるわけではないことを説明した後で、いくつか理由を述べた。例えば、現在、MIPSに比べてARMの方がサード・パーティのソフトウエアが豊富なこと。「こうしたソフトウエアを利用することで、顧客は開発負荷を低減できる」(同氏)。また、ARMv8-AはそれまでのARMアーキテクチャにはなかった通信用プロセサへの配慮がなされたことも採用の理由として挙げた。