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開発した多心光コネクター 富士通研と古河電工のデータ。
開発した多心光コネクター 富士通研と古河電工のデータ。
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四つの光コネクターを収容可能な光コネクターハウジング 富士通研と古河電工のデータ。
四つの光コネクターを収容可能な光コネクターハウジング 富士通研と古河電工のデータ。
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 富士通研究所と古河電気工業は、多数の光ファイバーを安価に一括接続できる多心光コネクターを共同開発した(富士通研ニュースリリース古河電工ニュースリリース)。サーバー内の高速データ伝送に向けた光インターコネクトへの適用を狙う。

 発表によれば、サーバーの処理能力向上にともない、サーバー内部のデータ伝送量は増加していて、CPU間やCPU・メモリー間では25Gビット/秒以上の高速伝送が要求されている。従来の電気配線では、高速化に伴って信号の減衰が大きく、ボード間のような短い距離でも伝送が難しくなってきた。このため、信号劣化の小さい光ファイバーを用いてデータ伝送を行う、光インターコネクトが注目されているという。

 サーバー機器内部のボード間に光インターコネクトを導入するためには、光信号を並列に伝送する複数の光ファイバー同士を一括して接続する多心光コネクターが多数必要になる。ところが、既存の多心光コネクターは高価で、機器内部への光インターコネクト導入の障壁となっていた。

 価格が高いのは、既存の多心光コネクターでは、コネクターに光ファイバーを固定した後に、高精度の研磨を行って端面を形成することで、複数の光ファイバーの端面をそろえていたためである。こうすることで、隙間を生じることなく光ファイバー同士が接触し、低損失で接続できるが、研磨は光コネクターごとに行うため、大きな費用がかかる。費用のかかる研磨を行わなくても低損失で接続できる簡易な光コネクターの実現が期待されていた。

研磨を不要にしてコスト低減

 そこで、今回、富士通研の設計技術と古河電工の製造技術を活かして、サーバー内で利用できる簡易構造の多心光コネクターを開発した。ポイントは、光コネクターに光ファイバーの接続時にわずかに変形するバネ機構を形成したことである(図1)。これにより長さがばらついている光ファイバーを、光コネクターの変形により長さに応じて微小にたわませることで、すべての光ファイバーの端面をそろえることを可能にした。

 また、光ファイバーの端面をレーザー加工で形成することで、研磨と同様な端面形状を実現し(図1の右上の図)、光ファイバー同士を隙間なく接触できるようにした。これで、研磨工程を用いることなく、従来の多心光コネクターと同等の低い損失(0.2dB以下)で光ファイバー同士を接続できるようになったという。研磨加工を不要にしたことで、従来手法の半分以下の費用で光ファイバーを接続できるようになるとする。

 今回共同開発したコネクターは従来と同程度の性能を実現しており、サーバー機器内への大容量の光インターコネクトの導入を容易にさせる。この技術を用いることで、サーバーの性能向上を支えるボード間データ伝送の速度向上が期待できるという。なお、光コネクターをボードに設置する際に、富士通研と古河電工が併せて開発している、小スペースで四つの光コネクターを収容可能な光コネクターハウジングを用いると、最大96本のファイバーを接続可能である(図2)。

 富士通研と古河電工は、今回のコネクターを2016年頃にサーバーへ適用することを目指して開発を進める。また、サーバー内に限らず、ラック間を接続する光ケーブルなど様々な用途への展開を図る。