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四日市工場の第5製造棟
四日市工場の第5製造棟
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 東芝は、現在量産している19nm第2世代の次の技術世代に当たる1Znm世代のNANDフラッシュメモリーを2014年初夏にサンプル出荷する。量産は2014年度後半(2014年10月以降)を予定する。四日市工場の第5製造棟(第1期)の既存設備を1Znm世代に対応させるため、400億円の設備投資を行う。東芝はセミコンダクター&ストレージ部門における2013年度通期の設備投資として1700億円を計画しているが、この一部を今回の微細化投資に充てる。

 東芝の19nm第1世代品は、ワード線のハーフピッチが19nm、ビット線のハーフピッチが26nmだったが、19nm第2世代品ではワード線のハーフピッチが19nm、ビット線のハーフピッチが19.5nmに微細化された(関連記事)。1Znm世代の詳細は明らかになっていないが、プレーナー構造のままワード線のハーフピッチを16nm前後に微細化するものとみられる。一般にArF液浸リソグラフィーのダブルパターニング技術ではハーフピッチ19nmを加工するのが限界とされており、16nm前後に微細化する場合はArF液浸のクアドルプルパターニング技術が必要なため、新たな設備投資が必要とされる。

 競合の米Micron Technology社は2013年7月に16nm世代の128Gビット品をサンプル出荷しており(関連記事)、韓国SK Hynix社も16nm世代の64GビットNANDフラッシュメモリーを2013年11月から本格量産している(関連記事)。こうした動きに比べると、東芝の1Znm世代品の出荷は約1年遅れのように見えるが、東芝は回路設計技術の工夫によって同じ技術世代でも競合他社に比べて小さなチップ面積を実現しているとの指摘がある。

 一方、韓国Samsung Electronics社はメモリーセルを積層した3次元NANDフラッシュメモリーの生産に力を入れている(関連記事)。ただし、現状では3次元NANDフラッシュが市場に定着するまでには、しばらく時間がかかるとの指摘が多い。こうした中、東芝はプレーナー型の1Znm世代への微細化に力を入れる。なお、東芝は3次元NANDフラッシュ「BiCS」の量産も視野に入れており、現在建屋を建設中の四日市工場第5製造棟(第2期)での生産を予定している(関連記事)。