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 ルネサス エレクトロニクスは、28nmプロセス向けのフラッシュメモリーIPを開発した(ニュース・リリース)。パワートレイン、ボディー、セーフィティ、ADAS(先進運転支援システム)などを担う車載マイコンへの埋め込みを予定している。開発したフラッシュメモリーIPを埋め込んだ車載マイコンのサンプル出荷は4年後という。

図1●SG-MONOSの特徴
ルネサスのスライド。
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 同社は150nmプロセス時代からSG-MONOS(split gate metal-oxide-nitride-oxide-silicon)と呼ぶ独自のメモリセル構造を持つ、埋め込め用フラッシュメモリーIPを開発し、マイコン製品などに適用してきた(図1)。読み出し速度が速い、消費電力が低い、信頼性が高いなどの特徴があるとする。さらに構造が単純なため、微細化が容易だという特徴もあるという。

 「競合他社の車載マイコンは55nmや65nmのプロセスで作っている。微細化が進まない大きな理由は、微細プロセス向けのフラッシュメモリを開発できていないからだ」(ルネサスの山内忠昭氏:第一ソリューション事業本部 コア技術事業統括部 統括部長)。ルネサスでは40nmプロセサス向けのフラッシュメモリーIPは開発済みで、1年前の「ISSCC 2013」で発表している(Tech-On!関連記事1)。そのIPを埋め込んだ最初の車載マイコン「RH850/F1xシリーズ」(同2)は、2014年第4四半期に量産を始める。

強いニーズがある

図2●28nmの車載マイコンで自動車の付加価値が向上
ルネサスのスライド。
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 今回28nmプロセス向けのフラッシュメモリーIPを開発したことで、「車載マイコンで当社は、競合他社を2世代以上リードした」(山内氏)。同氏によれば、微細プロセス向けのフラッシュメモリーIPには強いニーズがあるという(図2)。例えば、機能安全やセキュア性を担保するためにロックステップ動作のデュアルコア構成が必須となり、コア数が増える。それにつれて必要なフラッシュメモリー容量が上がる。

 また複数のECUを統合したECUの実現が求められており、そのECU向けのマイコンでは大容量メモリーが必要になる。さらに排気ガス規制は年を追うごとに厳しくなり、制御アルゴリズムダイナミックに変更することが必須となる。これも、マイコンに搭載するフラッシュメモリーIPの大容量化につながるという。

読み出し速度は160MHz

図3●開発した28nm向けフラッシュメモリーIPの概要
ルネサスのスライド。
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 開発した28nm向けフラッシュメモリーIPをプログラム格納用のコードフラッシュとして実現した場合、16Mバイト以上の容量を確保できる(図3)。40nm向けの8Mバイト以上の2倍になる。読み出し速度は160MHzで、40nm向けの120MHzから30%以上高速化した。

 データ保持期間は20年間である。また、読み出し可能接合部温度範囲は-40~+170℃で、書き換え可能接合部温度範囲は-40~+160℃とする。なお、パラメータなどを格納するデータフラッシュとして実現すると、読み出し速度やメモリ容量は下がるが、書き換え可能数を250K回にできる。