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図1 ステンレス箔「ラミネライト」を用いたLiイオン2次電池の例
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図2 「ラミネライト」の構造
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図3 集電体に用いる「高強度極薄圧延ステンレス箔」
図3 集電体に用いる「高強度極薄圧延ステンレス箔」
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 新日鉄住金マテリアルズは、Liイオン2次電池の外装材や集電体に利用できるステンレス箔を薄型化したと発表した。同社はLiイオン2次電池向けのステンレス箔を開発したことを2013年2月に明らかにしており、今回は製品ラインアップを拡充した格好である( Tech-On! 関連記事)。

 製品群は二つ。電池やキャパシタの外装材に利用可能な樹脂フィルムを貼り合わせたラミネート・ステンレス箔「ラミネライト」と、Liイオン2次電池の正負極の集電体に利用可能な「高強度極薄圧延ステンレス箔」である。

曲げ加工やプレス加工にも対応


 ラミネライトは、アルミ缶を用いた角型セルやアルミ箔を用いたラミネート型セルの外装材の代替を狙う(図1)。これまで、ステンレス箔の厚さ(基材厚さ)が15μmで樹脂フィルムを合わせた厚さ(総厚さ)が51μmの品種が最も薄かった。新日鉄住金マテリアルズは今回、総厚さが41μmの品種を製品化した(図2)。基材厚さは15μmで、主に樹脂フィルムの材料を見直して薄型化したという。

 さらに、今回の開発品は「曲げ加工やプレス加工などに十分耐えられる、という条件付きで41μmを実現している」(同社 電子材料事業部 金属箔センター 品証・技術グループ マネジャーの海野裕人氏)とする。2013年に発表した総厚さ51μmの品種では「プレスなどの加工を伴わないパッケージングであれば、51μmまでの薄さで対応できるとしていた」(同氏)。

 ラミネライトは「すでに多くの電池メーカーが評価中」(同社 電子材料事業部 金属箔センター 品証・技術グループ 営業グループ(兼務) マネジャーの長崎修司氏)の状況で、本格的な量産は2014年後半から2015年にかけてになる見込み。生産量は50万m2/月程度で、売り上げとしては数億円/月を予定する。まずは民生機器向けのLiイオン2次電池向けに提供し、将来的には車載電池への採用を目指す。

 ステンレス鋼は、アルミ合金に比べて強度と剛性が高いことから、外部からの衝撃に強い。さらに、ステンレス箔は溶接が可能であるため水分透過量を大幅に低減できるという。海野氏によれば、「特に車載電池ではこの『水分バリア性』が求められる」という。課題はコストで、現状では「アルミ箔の3~5倍高い」(海野氏)。

集電体向けは厚さ8μmに


 集電体に用いる高強度極薄圧延ステンレス箔は、これまで厚さ10μmの品種を用意していた。今回はさらに薄型の厚さ8μmの品種を開発した。ステンレス箔は正極と負極の両方で使うことができる(図3)。特に、負極活物質に容量化が可能なSi合金を採用する機運が高まれば、従来の銅箔に比べて高強度のステンレス箔への置き換えが進む可能性がある。

 このほか、厚さ6μmのNiめっき普通鋼箔の開発も進めている。Niめっき普通鋼箔は負極向け。鋼材にNiめっき処理を施した後に圧延するため、「界面がはがれにくい」(海野氏)特徴があるとする。

 なお新日鉄住金マテリアルズは今回発表したステンレス箔を、「第5回国際二次電池展」(東京ビッグサイト、2月26日~2月28日)に出品する予定である。