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図1 福島第一原子力発電所での利用を想定し、水中走行遊泳型と形状変化型の2機のロボットを開発した
図1 福島第一原子力発電所での利用を想定し、水中走行遊泳型と形状変化型の2機のロボットを開発した
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図2 水中走行遊泳型ロボット。ベルト型の駆動輪2個と、プロペラ型の推進器6個により、床面および壁面の走行、水中の遊泳が可能
図2 水中走行遊泳型ロボット。ベルト型の駆動輪2個と、プロペラ型の推進器6個により、床面および壁面の走行、水中の遊泳が可能
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図3 形状変化型ロボットの、クローラーを縦一列に並べた姿勢。直径100mmの配管を通過できる
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図4 形状変化型ロボットの、床面走行時の姿勢。クローラーを平行に配置して、段差やグレーチングがある床面を走行する。中央部に搭載するカメラは、向きを上下方向に回転できる
図4 形状変化型ロボットの、床面走行時の姿勢。クローラーを平行に配置して、段差やグレーチングがある床面を走行する。中央部に搭載するカメラは、向きを上下方向に回転できる
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 日立製作所と日立GEニュークリア・エナジーは、水中走行遊泳型ロボットと、形状変化型ロボットを開発した(発表資料)。資源エネルギー庁が補助事業で進める、福島第一原子力発電所での燃料取り出し作業に用いる遠隔装置の開発に向けて、これらのロボットを各種の調査に利用する。いずれもカメラを搭載しており、人が作業できない空間を遠隔操作で走行させて、冷却水の漏えい箇所や燃料の状態を調査できるとする。

 水中走行遊泳型ロボットは、トーラス室などの水で満たされた発電所建屋内を調査するためのもの。(1)ベルト型の駆動輪(クローラー)による床面走行、(2)6個のプロペラ型推進器(スラスター)を使った3次元的な遊泳、(3)スラスターで機体を壁面に押し付けてクローラーで走行する壁面走行、の三つの動作が可能である。スラスターは、クローラーと垂直な方向に4基、クローラーと平行な方向に2基搭載する。外形寸法は330mm×605mm×450mmで、質量は31.5kg。遊泳時の最大推力は7kgfで、床面走行の最大速度は50mm/秒(3m/分)。

 形状変化型ロボットは、配管などの狭い空間の通過と、段差がある床面の走行を両立させることを狙ったもの。二つのクローラーを縦一列に並べた姿勢と、クローラーを平行に配置してコの字型にした姿勢を選択できるようにした。縦一列に並べた姿勢では、直径100mmの配管を通過できる。配管を通過した後、姿勢をコの字型に変更し、床面に降りて走行するという使い方を想定する。コの字型の姿勢では、約50mmまでの段差やグレーチング(側溝のふたなどに用いる格子状の鋼材)があっても走行できるとする。走行速度は50mm/秒(3m/分)。

 形状変化型ロボットは放射線量が高い領域での利用を想定しており、「電子回路を極力少なくしている」(日立製作所)。これにより、吸収線量が約1000Gyになるまで稼働できるようにした。一方の水中遊泳型ロボットは放射線量が比較的低い領域を想定しているため、許容する吸収線量は約200Gyである。