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発電素子を披露する信州大学繊維学部 教授の村上泰氏。左がエヌ・ティー・エス 代表取締役の宮澤伸氏
発電素子を披露する信州大学繊維学部 教授の村上泰氏。左がエヌ・ティー・エス 代表取締役の宮澤伸氏
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 信州大学繊維学部 教授の村上泰氏とエヌ・ティー・エスは2014年6月18日、100℃の温度下で1.5V、数mAの電力を得られる発電素子を開発したと発表した。実際に信州大学繊維学部においてLEDを点灯させるデモンストレーションを実施した。

 発電の原理については現在究明中としながらも「化学電池や半導体電池とは異なる新しいタイプではないかと考えている」(村上氏)とし、「実用化や原理究明をスピード感を持って進めていくため、あえて発表に踏み切った」(同氏)という。熱を用いた発電素子としては、ゼーベック効果を用いた熱電変換素子があるが、今回開発した素子は温度差がなくても発電するため、「同効果を用いたものではない」(村上氏)との見解を示した。

試作したセル。円筒型も試作している
試作したセル。円筒型も試作している
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ラミネート型セルの構成図
ラミネート型セルの構成図
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 素子の構造は簡素で、アルミ合金電極と銅合金電極の間に、活物質となる亜鉛化合物と誘電体化合物、導電性高分子の3種類を最適な比率で混ぜているとする。この活物質を1cm角で1gほど用いてセルを試作し、LEDを点灯させるデモを実施した。具体的には、セルをドライヤーで温めることで、赤色LED3個を点灯させたほか、青色LED1個に付け替えて点灯させていた。

 赤色LED3個を点灯させた場合、ドライヤーの風を当ててすぐにLEDが点灯し、約100℃までセルの温度が上がった状態で、電圧が約1.56V、電流が約0.57mAの約0.88mWの出力を示していた。

デモンストレーションの様子。セルの表面温度は100℃である
デモンストレーションの様子。セルの表面温度は100℃である
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 開発のきっかけは、3年半前にエヌ・ティー・エスが「たまたま手掛けていた材料で電圧と微弱な電流値を観測したことがきっかけ」(同社 代表取締役の宮澤伸氏)という。同社は、材料へのドープ技術を得意とする会社で、特殊な酸化チタンの粉末材料の販売などを手掛けている。