米Texas Instruments社は、PoE(Power over Ethernet)に対応した給電側機器(PSE:power sourcing equipment)向け制御ICの第2世代品「TPS23861」を発売した(ニュースリリース)。新製品は、「PoE+(Power over Ethernet Plus)」とも呼ばれるIEEE std. 802.3at規格に準拠する。
4ポートの給電側機器向け制御ICで、両面基板に実装できるパッケージピン配置になっている。出荷時は全自動モードになっていて、ホスト制御なしで稼働する。端子設定も不要だという。すなわち、有効なシグナチャーを持つ受電側機器(PD:powered device)を自動的に検出し、クラス分類に沿って必要な電力を決めて、給電を行う。I2C経由のコマンドで半自動モードに設定したり、さらに細かな制御やモニターも可能だとする。
新製品の消費電力は、いかなる条件でも400mWを超えることがないため、熱設計の自由度が高いとされる。28ピンのTSSOPに封止する。University of New Hampshire Interoperability LabとSIFOのテスト環境を使ったIEEE std. 802.3at準拠試験をパスしている。
今回、TIは、ICに加えて、評価ボードの「TPS23861EVM-612」も発表した。TPS23861を2個集積した両面ボードである。このボードには、1G/ビット秒Ethernet準拠の6つの給電ポートがあり、うち4つはIEEE802.3at Type 2に沿った30Wのポート。残り2つは標準規格には準拠しない高出力のポートである。また、サブボードとして「MSP-EXP430G2」(「LaunchPad」の1つ)とUSB-TO-GPIO(USBインターフェースアダプター)を装着することが可能で、独自の電源管理手順をプログラムすることが可能になる。
ICのTPS23861の1000個発注時単価は3.4米ドル(参考価格)で、評価ボードのTPS23861EVM-612の単価は299米ドル(参考価格)で、共に出荷中である。